2023年にステージⅠの乳がん、今年に再発
市ノ瀬さんが最初に乳がんと向き合ったのは2019年1月。当時は別の事務所でアイドルグループ加入を控えており、母の勧めもあって「忙しくなる前に」と、健康診断の項目になかった乳がん検診を受けた。
結果は乳がんの“疑い”で、まだ若いため、摘出・検査しないと断定できないとの告知だったという。
──当時の心境について教えてください。
市ノ瀬律(以下、同) びっくりしたけど、「大泣き」することはなかったです。それより「検査なんてしなきゃよかった」と思っちゃいました。
実は、摘出・検査のせいで、当時加入を控えていたお披露目ライブが延期になり、会場も当初より小規模になってしまって。でも結果は「ほっといたら乳がんになる可能性が高そうだけど、今はまだ大丈夫」みたいな感じで、「結局は病気じゃなかったし、検査しなかったら出られたのに……」と悔しくなってしまいました。
こうした思いもあり、年に1回は経過観察するよう言われていたけど、その後、4年間、行きませんでした。今振り返ると、行っておけばよかったと感じています。
──正式にがんが発覚したのはいつごろでしょうか?
今のグループに入った後、2023年の頭です。それまで半年ほど胸にしこりを感じていて、前の病院は検査の件で苦い思い出があったので、別のところに行きました。
でも、そこは「その若さで乳がんなんてないから大丈夫!」と軽い感じで。家族に話したら「前に疑惑があったんだから同じ病院に行きなさい」と言われ、4年ぶりに同じ病院で診てもらいました。
今度は「がんの可能性がかなり高い」という診断で、手術後の病理検査で正式に乳がんとわかり、3月に左胸の皮膚だけ残して中身は全摘出。広がっていくがんは2cm未満で、ほとんどが転移しないがんだったことから、早期発見のステージⅠでした。
──今年6月には再発も公表されました。
術後も3ヶ月に1回は乳腺外科に通い、年1で検査も受けていたところ、再発が見つかって今年6月に再び摘出手術を受けました。
再発により、毎日の薬と半年に1回注射を打つホルモン療法では不十分とわかったので、年末には放射線治療を受けます。
また、これとは別に形成外科で乳房の再建もしていて。病院側の連携ミスもあってまだ終わっていないので、10月のワンマンライブ後には4回目の手術を受けます。年1くらいで手術していますね。