もりひさんの夢と伝えたいこと

彼女を誇りに思っていることを語るもりひさんに、自身の夢を聞いてみた。

「夢はかなりありますね。鍼灸師として自分のお店も持ちたいし、彼女を幸せにしたい。いつか自分の言葉で本も出せたらいいなって思います。

あとは1回ライブをやって、あの大歓声を浴びちゃうと『もう1回やりたい』『もっと大きな箱(会場)でやりたい』って思っちゃうんですよね。音楽の素人の僕が言うのはおこがましいんですけど……Zepp Namba(大阪)とか!」

問い合わせてみると、Zepp Namba級のライブハウスの今年の予約はすでにパンパン。取れるのは、早くて2027年だという。

「正直、未来の予定を考えたり、入れたりするのは怖くもあって。そのときの自分がどうなっているのか、生きているのかも想像できなさすぎて。とはいえ、『終わってたまるか』みたいな、ど根性ですよ。やっぱり夢はね、叶えないと面白くないんで!」

と、いたずらっ子のように笑った。改めて、今、もりひさんは幸せかと質問すると、

「幸せですよ、本当に。1日1日を大切に生きられているし、彼女もいるし、こんなに多くの人に応援してもらえて。これで幸せじゃないって言うなら、何が幸せなんやって思いますよ」

その言葉に、自分が抱えている不平不満が小さすぎて、くだらなすぎて、恥ずかしくなる。

「そんなそんな(笑)。健康に生きるっていうことは本当に綺麗事でも、当たり前でもなくて。やっぱり、生きていたら辛いことばかり。自分も病気がないときは、本当にちっぽけなことで悩んでいましたから。

でもきっと今抱えている悩みは、将来の笑い話になるはず。だから、当たり前じゃないこの今一瞬を必死に生きてほしいと思います。なかなか『当たり前』のありがたみって、失ってからじゃないとわからない。

この記事を読んでくれた人もたぶん、1日2日経てば忘れちゃうと思う。でも100人いたらひとりでも、この言葉が響いて『ちょっと頑張ってみよう』と思ってくれたなら、僕はやっていてよかったなと思います。

『むしろ、顔に穴が空いてよかった』と思うくらいの人生に僕はしていくので!」

2027年のZepp Namba、もりひさんはきっと魂の歌声を響き渡らせていることだろう。

死ぬ気でやったライブでの観客との1枚(写真/本人提供)
死ぬ気でやったライブでの観客との1枚(写真/本人提供)
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取材・文/池谷百合子