2024年12月には石破自民、公明と「年収の壁は178万円を目指す」

何とも間の抜けた対応だったが、ダメージは最小限だった。側近で「趣味は玉木雄一郎」という榛葉賀津也幹事長が素早く火消し対応したからだ。いち早く「役職停止3カ月」という軽めの処分を主導し、最小限のダメージで代表に復帰させた。

ただ、その後も浮き沈みを繰り返す。2024年12月には石破自民、公明との3党合意で「年収の壁は178万円を目指す」と明記させたため、与党が示した補正予算に賛成した。少数与党の自公政権を助けたが、約束は反故にされる。

再び対決姿勢に転じて、「手取りを増やそう」というかけ声でネット地盤での支持を集める。その勢いで2025年の夏の東京都議選、参院選を迎えるが、参院の候補に山尾志桜里氏や須藤元気氏を公認すると批判を浴びる。

山尾氏は過去の「不倫疑惑」への説明不足、須藤氏は過去の「反ワクチン発言」などが党の支持者に敬遠されたようだ。政党支持率も一気に半減した。立憲幹部は「玉木は時間がたてば立つほどボロが出て失速していくね」とほくそ笑んだ。

「総理になる覚悟はある」と意気込んだ。が…

ただ、選挙ではすぐに反転攻勢した。2025年6月の都議選は議席ゼロから9議席を獲得した。参院選も過去最多の17議席を獲得。改選前4議席から大躍進だ。比例区に至っては、762万票を得て、724万票の立憲民主党をしのいで野党1位になった。

そんな躍進も高市政権誕生で潮目が変わった。高市早苗氏が総裁になって、真っ先に連立政権入りを働きかけたのは玉木氏だった。昨年10月4日の総裁選で高市総裁が選出されると、翌5日には高市氏が玉木氏にアプローチ。2人が密会したという報道が流れた。

高市首相
高市首相

ただ、その後に公明党が政権を離脱すると、自民と国民民主だけでは衆参両院の過半数には達しないことから「前提が変わった」と玉木氏は高市自民との連立交渉を打ち切った。

立憲民主党など野党側の枠組みに入って「総理になる覚悟はある」と意気込んだが、日本維新の会が電撃的な交渉スピードで高市自民との連立交渉をまとめた。

玉木氏は「二股をかけられた」と周囲に嘆いてみせたが、世間では「優柔不断」「決められない男」と酷評される羽目にあった。

振り返ると、2024年のブレークから、自身の不倫や参院選の候補擁立での失敗、それでも都議選や参院選での大躍進、そして連立交渉の頓挫から「年収の壁」での電撃合意まで浮沈の激しい1年だった。政党支持率も10%超えて野党1位になることもあれば、半減したこともある。