「ロボットものが好きな“ふつうの子”でした」
世間がクリスマスで賑わう12月25日朝、埼玉県飯能市美杉台の住宅街で森田泉さん(68)と夫で米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)、二人の娘で会社員の森田ソフィアナ恵さん(32)の親子3人が、ハンマーのような鈍器で殺害される凄惨な事件が起きた。
殺人未遂容疑で逮捕されたのは現場近くに住む無職・斎藤淳容疑者(40)。斎藤容疑者は逮捕場所となった自宅で、かつて父親、母親、姉とともに暮しており、ごく普通の幸せそうな家族だったという。18年間をともに過ごした父親は、現在は元妻や子どもたちと離れ、県外で暮らしている。
父親が30分にわたって「集英社オンライン」の取材に応じ、その胸中を語った。
「私が前妻と離婚したのは23年前です。離婚してからは淳には会っていません。離婚したのは淳が高校を卒業する年のことで、原因は何か子供たちに問題があるとかではなく、あくまで私と前妻との間の問題でした。離婚すると決まった際、私がそのことを告げると、淳は黙って聞いていました。私の知る限りではありますが、少し神経質なところはあるものの、優しい子でした」
幼少期は父親と公園や山で遊んだという斎藤容疑者。父方の祖母に連れられて湘南の海に行ったり、定期的に家族旅行に行ったりと活発な子供だったという。
「特別おとなしいということもなく、本当にごくごく普通の子どもでした。成績面も特別できないとかもありませんし、私も勉強しろとうるさく言ったことはありません。思い出すのはこういうおもちゃが欲しいとか、そんな他愛のない話ばかりです。トランスフォーマーのようなロボットものが好きでした」
当時、父親は単身赴任で家を空けている時期もあったというが、少なくとも斎藤容疑者と暮らしていた18年間の間には、息子が家庭内で何かトラブルを起こしたり、警察沙汰になったりすることはなかった。
「中学校は全寮制の私立に通っていました。前妻がいくつか見つけてきた学校の中から本人が選んだという感じでした。そこは中学から高校へそのまま上がれる学校でしたが、入学して2年目に公立の中学校に転校しました。転校の原因はイジメだと言ってる方もいるみたいですが、私が本人から聞いていたのは、『寮が嫌だ』というものでした。
色々と悩みはあったと思いますが、その後は比較的うまくいっていたようです。高校は地元の私立の高校に行きました。高校卒業後は本人が『映像に関する仕事がしたい』と言っていて、映像関係の学校に進みました」