ファンとともに“青春のやり直し”

こうして始まった50歳を越えてのアイドル活動。ライブでは昭和歌謡がお決まりで、メジャーデビューを果たした今もカバーを続けている。衣装も昭和アイドルを彷彿とさせるものを、自分たちで作っているという。

ピンク・レディーの『UFO』など往年の昭和アイドル曲カバーを披露するふたり(写真/集英社オンライン)
ピンク・レディーの『UFO』など往年の昭和アイドル曲カバーを披露するふたり(写真/集英社オンライン)

そんなふたりを応援するファンは、いったいどんな人たちなのか。

「17歳のときに大阪で冠ラジオを持ってたんですけど、当時のリスナーの方とかも来ますよ。『立石って娘、何やってるかなぁ』と調べてくれて、『ひさしぶりー! 45年ぶり!』とか『お互いもうジジババになったね(笑)』とか。

東大出身の95歳くらいの男性ファンもいます。その方が最高齢で、若い子だと30代ですが、だいたい私たちと同年代の方が多いですね」(ミュン)

「92歳のお婆ちゃまもいます。その方は、息子さん夫妻が私たちのファンで……なんと私たちのライブで出会って結婚したんです! 息子さん夫妻と3人でいつもライブにいらっしゃる名物ファンで、家族3人で行動するのが楽しみで、『これが長生きの秘訣』だと言っています」(ヤヨ)

ファンには他にも、アメリカのマサチューセッツ工科大学を出た人もいるという。95歳の東大おじいちゃんといい、何か高学歴を惹きつける理由があるのか聞いてみると……。

キャンディーズ『年下の男の子』を披露(写真/集英社オンライン)
キャンディーズ『年下の男の子』を披露(写真/集英社オンライン)

「たぶん、若いころに勉強ばっかりしていたんだと思います。聞いてみると、『本当は(アイドルの)親衛隊とかやりたかったのにできなかった』という人も何人かいましたし」(ヤヨ)

昭和アイドルの曲をカバーしていることも、こうしたファンのハートを掴む要素だ。

「私たちが昭和歌謡を歌っているのは、今も根強い需要があったり、私たち自身もちょうど10代のころに全盛期だったので、歌いやすいからっていうのがあるんですけど、ファンの方も『安心して』聴ける』という人が多くて」(ミュン)

「『平凡』とか『明星』とか雑誌を読んで当時のアイドルのすごくコアなことまで知っている70歳くらいの方も来てますし、私たちだけじゃなく、ファンの方も“青春をやり直す”という方がほとんどです」(ヤヨ)

ミュンさんとヤヨさんにはそれぞれふたりの子どもがいるが、いずれも母のアイドル活動を応援しているという。今では孫を連れてライブに来ることもあるそうだ。