最も欲しいのは国交省ポスト

ある維新関係者はもっとも欲しいのは国土交通大臣だと断定する。

大阪万博が終わり、跡地利用やその北側の敷地で建設中のカジノを含む統合リゾート(IR)工事など、これからの大阪行政では、膨大な量の建設許可など国交省がらみの許認可があって、「のどから手が出るほど欲しいのは国交大臣ポスト。次が経産省だ」と維新関係者は強調する。

国交大臣ポストは2012年の第二次安倍政権が誕生した際に、公明に譲ったポストだ。公共事業の認可や道路河川などの工事、航空行政など膨大な利権官庁だ。公明の連立離脱によって13年ぶりに自民に戻ってきた。すでに自民では国交大臣経験者が一人もいない。

「一度渡したら二度と戻ってこないポストだ。二度と離さないだろう」(自民ベテラン)

維新は改革を掲げつつ、地元大阪では与党として長年君臨してきた。大臣ポストの奪い合いなどが表面化したら一気に支持率を下げるだろう。

これまで自民党と連立を組んだ政党は創価学会という強固な宗教団体に支えられた公明党以外はすべて滅びた。はたして維新はどちらの道をたどるのか。吉村氏の府知事任期は2年、高市氏の総裁任期も2年だ。その結果は21日以降、そう遠くないうちに分かるかもしれない。

文/長島重治