レイルウェイズを最強にした理由
架空のリーグということで、プレイヤーはゲーム内の「JAPAN LEAGUE(ジャパンリーグ)」に属する球団をプレイする。
構成するのはセリーグ球団をモデルにした「Gチーム(ガイアンツ)」「Cチーム(カーズ)」「Dチーム(ドラサンズ)」「Tチーム(タイタンズ)」「Wチーム(ホイールズ)」「Sチーム(スパローズ)」の6球団と、「Lチーム(ライオネルズ)」、近鉄・南海・阪急の混合チームである「Rチーム(レイルウェイズ)」、日本ハムとロッテの混合チームの「Fチーム(フーズフーズ)」、さらにゲームオリジナルの「Nチーム(ナムコスターズ)」の10球団だ。
ソフトの容量不足によるデータ節約のために、80年代に不人気だったパリーグが連合チームにされたと語られることが多いが、岸本さんはこれをきっぱり否定する。
「選手のデータの容量なんて大したことないですよ。パリーグモデルのチームを3球団にしたのは連合チームにすれば強くなって、プレイヤーが使いたくなるから。そうすれば少しはパリーグ人気が上がるんじゃないかと思ったんです」
10球団中、最強に設定されているのはレイルウェイズ。このチームをつかうことでパリーグに親しみを持ってもらい、人気を向上させたいと思ったのは、取材のために通った川崎球場があまりにもガラガラだったためだとか。
「川崎球場を本拠地にしていた当時のロッテには、三度の三冠王を獲得することになる落合博満がいたのに、まったくお客さんが入ってなかった。テレビだってセリーグばかりで野球ファンもパリーグのことなんて誰も気にかけていなかった。
それが今じゃパリーグも大盛況。このパリーグ人気に少しはファミスタも貢献したんじゃないかな。いや、野球殿堂に私も入れろと言ってるわけじゃないですよ(笑)」
ちなみに、西武も鉄道会社なのでレイルウェイズに組み込まれるはずだった。しかし、それを阻止したのが86年に西武に入団したゴールデンルーキー・清原和博の存在だ。
「すごい人気でしたからね。で、開発当初、ゲーム内の『きよはら』は7番打者とかに設定していたのにリアルのプロ野球で活躍してどんどん打順を上げていく。だからゲーム開発でも打順が連動して、最後にデータをフィックスしたときは4番になっていました」
もうひとつ、ファミスタというシリーズに大きな影響を与えたのが阪神ファンだ。