「なんだあのウグイスは…」

一部には怒鳴りつけてきたり、激しい物言いをするファンらしき人もいたという。

「衝撃的だったのが、選挙最終日にある男性に『なんだあのウグイスは。ウグイスのアナウンス手法が旧態依然で石丸さんの方針じゃない。お前には(票を)入れない、お前は落選する』と怒鳴られたこともありました。

ウグイスのかたは選挙期間一緒に戦ってきた仲間だったので、私も笑って済ませられず、反論をしてしまいましたが……。こうした一部のかたの言動に私もチームも苦しめられたという事実もあります」

会見する石丸氏(撮影/集英社オンライン)
会見する石丸氏(撮影/集英社オンライン)
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こうしたトラブルに見舞われながらも都議選を戦い抜いたのち、鳥海氏は「再生の道」からの卒業を決意した。

「私もチームも都議選を死に物狂いで頑張りました。だからこそ石丸さんの『当選は目的じゃない』という言葉は、複雑な思いで受け止めました。

もちろん「再生の道」は政治参画を目的としていて、『候補を立てた』というところで目的完了という部分があるかと思います。私も今回の都議選にチャレンジできたきっかけは「再生の道」オーディションだったので感謝しております。

しかし、政治家にならなければ、少なからず政治の世界で世の中を良くしていくことはできないと痛切に感じ、次の機会を求めるのなら当選を目的としたいと思い、卒業を決めました。

そもそも『再生の道』は党でもなく、離党も退団届もないそうです。石丸さんは『これからも政治活動を続ける人で“再生の道”のラベルや僕を使いたい人は使ってほしい。そうじゃない人は距離をおいてくれていい』とおっしゃってくださいました。

ただ、距離を置くというのでは中途半端になってしまうと思い、卒業して一歩踏み出したいと決意しました。私の支援者のかたにはおおむね賛同いただき、フリーの私になっても応援してくださることは感謝しております。今後は、街頭での挨拶はもちろん、地域での活動やSNS活動を地道に行ないながら政治家になれるチャンスを待ちたいと思います」

都議選が終わった翌日から仕事に復帰したという鳥海氏。いつか日本を良くしていける政治家になるため、次の舞台に向けて今は充電中とのことだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班