段ボールには矢沢永吉、モンクレール、カナダグースの山
A氏によるとリラクゼーション業の売り上げは“スズメの涙”だったという。その証言から、店舗は”飾り”にしかすぎなかったことがうかがえた。
「マッサージ(リラクゼーション)の方は最近、予約が入ったときだけ施術できる人を呼んでやってもらっていたくらい。だからそんなに稼働はなかったし、売り上げも少なかったと思う。
その代わりとして、物販のようなことをやっているのかなって。細かく何を売っていたのかは知らない。だけど、そこにもあるように矢沢永吉などのDVDボックスが何個か置いてあったりした。
逮捕された妻は、矢沢永吉のことを別に好きとかそういうわけではなかったし、DVDが何個もあるし売るためだろうから、こういうのを売って、売り上げを立てているんだろうなって思っていた。それがコピー品かどうかとか、実際に売っていたのかどうかというのは、聞いてない。だからわからないんだ。本当に色んな物が置いてあったんだよ」
次にA氏は、店から北へ約30メートル先にある平屋の一軒家へ案内してくれた。この平屋は、海賊版コミックスなどの倉庫として使われており、合同捜査本部によって家宅捜索も行われている。
平屋は計3部屋で構成されていた。うち2部屋には、段ボール箱が十数個ある程度だった。この平屋の床にも、矢沢永吉のDVDボックスが転がっていた。残りの1室には、高級ダウンで有名なモンクレールやカナダグースなどのアパレル製品が段ボールに入れられ、積まれている。
記者がアパレル製品について「これ本物ですかね?」とA氏に聞いた。
「俺も妻に本物か聞いたけど、妻は『本物だよ』って言っていた。(倉庫)こっちにも俺はたまにシャワーを浴びにくるくらいで、ほとんど来ない。だから詳しくはわからないんだよ。
組織的にやっていたのかって? たぶんそれはないと思う。妻が弟やお母さんなどを仕切ってやっているように見えたから。漫画とかCDやDVDを倉庫内で見るようになったのは、ここ1年くらいの話。まさか、それが偽物だとは思っていなかった」