1ヶ月以上も復帰が前倒しになった理由
この日、MLBは7月15日に行なわれるオールスターファン投票の第1回中間結果を発表。大谷はナ・リーグ最多の139万8771票を獲得、MLB全体でもニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ(156万8537票)に次ぐ2位という得票数となった。
このオールスターファン投票で大谷はナ・リーグDH部門でのエントリーだったが、6月17日のサンディエゴ・パドレス戦では「1番・投手」で出場。前日に登板が発表されるというサプライズで、二刀流復帰となった。
“投手・大谷”として今季はライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板しており、ドジャースのロバーツ監督も以前のインタビューで復帰について「オールスター後が現実的」としていたが、その予定が1か月以上早まった形だ。
予想以上の早期復帰について、ドジャース傘下チームに在籍したこともある野球評論家の佐野慈紀氏はその背景を考察する。
「調整のためにマイナーで投げるとなると、移動の問題からDHとしても数試合は休まなくてはいけなくなる。そうすると、打者としての感覚もずれてしまう。
以前からライブBPに登板してから試合に臨むということをしていましたし、それならメジャーの実戦で投げて調整というのはある程度、既定路線だったのでしょう」
それでも王貞治氏はこの早期復帰について「まだ早いんじゃないかと思うけどね」とコメントするなど、少し急ぎすぎな印象もある。
「ドジャースのブルペン陣は毎試合出づっぱりだったので、大谷復帰によって少しでも負担を軽減できればという意図もあったのではないでしょうか。調整という意味よりも、それができるくらいここ最近の大谷投手の状態がよかったということなんじゃないかと思います」(佐野氏)