教員の残業代は年間9000億円規模
しかし、この手当に納得している教員はいないでしょう。給料の4%上乗せと言っても、たとえば月収30万円だとすると、100時間残業したとしても、たったの1・2万円しかもらえないのです。
民間企業で月に100時間残業したら、残業代は200万円にも上るのではないでしょうか?
教員全体で計算してみるとこの金額はさらに膨れ上がります。文部科学省は、教員の勤務実態に応じた給与支払いを行う場合、年間9000億円規模のコストが発生する可能性があると試算しています。これでは超絶ブラックと言われても仕方ありません。
ところで教師の給料は、基本的には年功序列です。つまり、仕事をがんばろうが、サボろうが、だいたい同じような割合で給料が上がっていくのです。
仕事ができない(やる気がない)人からしたら、安定して良い職業なのかもしれませんが、がんばっている教師からしたら理不尽でしかありません。
がんばっている若手教師よりも、サボっている年配教師の方が、給料が高い……なんてことは当たり前にありました。
私も朝から晩までめちゃくちゃ働いて残業100時間状態だった時に、あまり仕事をしない年配教員の給料を聞いて目が飛び出るほど驚いたことがあります。
その人は定年間近で、授業数も少なく、部活も持っておらず、いつも職員室で新聞を読んだり、雑談したりしているような暇な教員だったのですが、その当時の私の倍ぐらいの給料をもらっていたのです。
こんな不公平なことがあるのかと歯ぎしりするような思いでした。
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