教員の残業代は年間9000億円規模

しかし、この手当に納得している教員はいないでしょう。給料の4%上乗せと言っても、たとえば月収30万円だとすると、100時間残業したとしても、たったの1・2万円しかもらえないのです。

民間企業で月に100時間残業したら、残業代は200万円にも上るのではないでしょうか?

教員全体で計算してみるとこの金額はさらに膨れ上がります。文部科学省は、教員の勤務実態に応じた給与支払いを行う場合、年間9000億円規模のコストが発生する可能性があると試算しています。これでは超絶ブラックと言われても仕方ありません。

ところで教師の給料は、基本的には年功序列です。つまり、仕事をがんばろうが、サボろうが、だいたい同じような割合で給料が上がっていくのです。

仕事ができない(やる気がない)人からしたら、安定して良い職業なのかもしれませんが、がんばっている教師からしたら理不尽でしかありません。

がんばっている若手教師よりも、サボっている年配教師の方が、給料が高い……なんてことは当たり前にありました。

サービス残業代は年間9000億、消防士や警察官には支給される休日出勤手当てもなし! まさに定額働かせ放題のブラック職業、教員の待遇に未来はあるのか_3
すべての画像を見る

私も朝から晩までめちゃくちゃ働いて残業100時間状態だった時に、あまり仕事をしない年配教員の給料を聞いて目が飛び出るほど驚いたことがあります。

その人は定年間近で、授業数も少なく、部活も持っておらず、いつも職員室で新聞を読んだり、雑談したりしているような暇な教員だったのですが、その当時の私の倍ぐらいの給料をもらっていたのです。

こんな不公平なことがあるのかと歯ぎしりするような思いでした。

写真はすべてイメージです 写真/Shutterstock

教師の本音 生徒には言えない先生の裏側
静岡の元教師すぎやま
教師の本音 生徒には言えない先生の裏側
2025/3/7
1,045円(税込)
272ページ
ISBN: 978-4815631109

本音をすべて書きました

10年以上中学校教諭を勤めた私が、教師の裏側を明かします。
「先生に相談しても迷惑じゃない?」「不登校で将来が心配」といった保護者が抱える悩みから、「『成績を上げろ』と5時間監禁される」「実は熱血教師が学校をダメにしている」といった気になる現場の実態まで。
保護者、教師、そしてすべての人が子どもの未来のために何ができるか、考えるきっかけになることを願って、書きました。

SNSの総フォロワー数70万人超!
日本一バズっている元教師が包み隠さず話します!

第1章 保護者への本音
第2章 学校現場の本音
第3章 働き方の本音
第4章 生徒が気になる先生の本音
第5章 教師への本音
第6章 持続可能な学校にするための5つの提言

amazon