残業代9000億円未払いの『定額働かせ放題』

「教員は定額働かせ放題」と揶揄されるように、いくら残業しても残業代が出ません。

なぜか?

それは「給特法」、正式には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」という長い名前の法律があるからです。

給特法の第三条の2に「教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない」とあるのです。

なぜ残業代を出さないのか?というと、教育という大切な仕事には終わりがなく、ここまでが仕事! と割り切ることができないから、ということです。

たとえば先生が授業のプリントを作るために残業したとします。でも、そのプリントがなくても授業はできますよね?でもその先生は子どもたちのために、自ら残業してプリントを作っているわけです。

サービス残業代は年間9000億、消防士や警察官には支給される休日出勤手当てもなし! まさに定額働かせ放題のブラック職業、教員の待遇に未来はあるのか_2

他にもたとえば先生が読書したり、ピアノの練習をしたりするのも、最終的には子どもたちに還元できるかもしれないし、できないかもしれない。やってもいいけど、やらなくてもいい。

そういう割り切れない仕事が多いから、教師に残業代は出さない。その代わりに、やってもやらなくても給料に4%を一律に上乗せしますよ、という風に給特法で定められているのです。

これは『教職調整額』と言って、民間企業の一部で採用されている固定残業代・みなし残業代に近いものです。