臨時講師も見つからないギリギリの年度初め
でもちょっと待って、と。人が少なくて忙しいだけならまだ許せます。
でも、技術や美術など、学校で1人しかいない教科の担当の先生が着任しないのは、さすがに困るでしょ。「じゃあ誰が技術を教えるの?」という話です。
そうなったらどうするかというと、まずは、その教科の臨時講師(非常勤講師)を探すんです。
ところが、それがなかなか見つかりません。
ご存じの通り、ただでさえ教員になりたい人が年々激減しているこのご時世。そんな中で、4月時点でたまたま無職で、臨時講師という過酷で不安定な職に就きたいという教員免許保有者がどれだけいるでしょう?
しかも、さらにひどいことに、臨時の代替教員を探すのは、学校ごとにやらないといけないんです。教育委員会は講師登録した人のリストを持っていて、一応、そのリストから紹介してくれたりはします。
でも、ただでさえ教員が足りない時代ですから、リストに登録されている人なんて、もうほとんど赴任先が決まっているんですね。結局、そこから紹介してもらえることはほとんどありません。
だから探すのは学校ごと。教頭が必死になって探し回るハメになります。
昔の知り合いのツテをたどって、もう引退して10年も経つような先生にまで、ひたすら電話をかけまくります。教頭が汗を拭きながら「なんとか来てもらえませんか?」と、電話越しに頭を下げている……そんな光景は年度当初の風物詩。
教師不足は、そこまでヤバいことになっているのです。