小中の不登校児、実際は統計の数倍いるかも…「なぜ学校に行けないのかわからない」個別の事情があるなか、家庭で「名前」を呼んであげることが大事な理由
「小中学校に行けていない不登校の生徒は、文部科学省が発表している数字の何倍もいるのでは」と指摘するのはYouTuberで、教育評論家の静岡の元教師すぎやまさん。その生徒の多くは「なんで学校に行けないのか」理由を説明できないという。
書籍『教師の本音』より一部を抜粋・再構成し、不登校の実態について解説する。
教師の本音 #1
大切にしていることのひとつは、「名前を呼ぶこと」
ちなみに私は今、不登校生徒向けのオンラインのフリースクールを経営しています。そのスクールでは「学校に行け」とか「どうやったら学校に行けるようになるか」なんてことは一言も言いません。でも、いつの間にか学校に行けるようになってしまう子が多いんですね。
大切にしていることのひとつは、「名前を呼ぶこと」。
オンラインの授業なので、先生が毎日「あ、◯◯さんおはよう」と入ってきた子、一人ひとりに声をかけるんです。そうしないと誰に対して言っているかがわからないので。
先生側は何気なくやっていたことなのですが、アンケートを取ってみると「名前を呼んでくれてうれしかった」という子がとても多いのです。
思い返してみると、学校でもたしかにあいさつはするけれども、一人ひとりに声をかける機会はどうしても少ないのが現状です。もしかしたら、家でも『名前』を呼ばれることは少ないのかもしれません。
そんなちょっとしたことでもいいんです。そういう関わりが、前に進むエネルギーになっていくんですね。
写真はすべてイメージです 写真/Shutterstock
教師の本音 生徒には言えない先生の裏側
静岡の元教師すぎやま
2025/3/7
1,045円(税込)
272ページ
ISBN: 978-4815631109
本音をすべて書きました
10年以上中学校教諭を勤めた私が、教師の裏側を明かします。
「先生に相談しても迷惑じゃない?」「不登校で将来が心配」といった保護者が抱える悩みから、「『成績を上げろ』と5時間監禁される」「実は熱血教師が学校をダメにしている」といった気になる現場の実態まで。
保護者、教師、そしてすべての人が子どもの未来のために何ができるか、考えるきっかけになることを願って、書きました。
SNSの総フォロワー数70万人超!
日本一バズっている元教師が包み隠さず話します!
第1章 保護者への本音
第2章 学校現場の本音
第3章 働き方の本音
第4章 生徒が気になる先生の本音
第5章 教師への本音
第6章 持続可能な学校にするための5つの提言