20代は「修行」

仕事には年代ごとにやるべきことがあると思う。

ユニコーンでデビューしたとき俺は20代。

なにも知らずに広島から上京してきてしまったから、20代の頃の俺はとにかくインプットしまくった。音楽もそこまで詳しくなかったから、自分がやりたい感じじゃなくてもできるだけいろんな曲を聴いてみたり、他のバンドのライブに行ってみたり、めちゃくちゃコード進行を考えて曲を作ったり……とにかくインプットの毎日だった。

でもいま思うのは20代の元気なうちに自分の知らないことをできるだけ吸収して、チャレンジしたのはよかったんじゃないかということだ。俺は20代の後半にユニコーンの解散を経験してその後ソロデビューをしたわけだけど、いまとなってはその経験も人生の糧になっている。

本格的なソロデビューシングルとなった「愛のために」で自身初となるミリオンを達成
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30代は「爆発」

20代でインプットした知識や経験は大事に抱えているだけじゃしょうがない。

30代は満を持してそれをアウトプットするとき。自分が手に入れた知識や経験で、自分を爆発させる時期になる。

俺の場合、30代は「ソロ」はもちろん、「井上陽水奥田民生」で活動したり、ギター1本で弾き語る「ひとり股旅」ツアーをやって武道館でもライブができた。30代最後の年には、念願だった地元、広島市民球場ではじめてのライブも開催した(ひとり股旅スペシャル@広島市民球場)。

30代は自分のためだけじゃなくて人のためにも仕事をした。

「PUFFY」ではじめてプロデュース業に挑戦して、そこそこの成果は出せたと思う。

30代は20代では思うようにできなかったことが知識と経験でできるようになってくるから、自分ができる最大限をアウトプットするのがいいと思う。

井上陽水とタッグを組んだPUFFYのデビューシングル「アジアの純真」
井上陽水とタッグを組んだPUFFYのデビューシングル「アジアの純真」