レストランでの効率の悪さが問題に
だが、どうしても避けられないのが、各パビリオンにあるレストランの行列。会場内には世界各国の料理を楽しめるレストランがたくさんあるが、ほとんどの店舗で、公式サイトやアプリにはメニューの情報が載っていない。
そのため、来場者はまず行列に並び、レジに着いてから初めてメニューを確認することになる。しかも、初めて見る異国の料理が多いため「これはどんな料理?」と一つずつスタッフに聞かなければ内容がわからず、注文までに時間がかかってしまうのだ。
実際、「セルビア館」では屋外まで続く列に約20分並んだ後、レジ前で初めてメニューを見て注文する流れだった。
各パビリオンのレストランはどこも行列ができていて、比較的空いているレストランは、1食約5000円〜1万円超の高額メニューを提供している「ポーランド館」や「フランス館」、「アラブ首長国連邦館」などであった。
こうした状況から、来場者の間では「軽食を持参しておくのがベター」といった声もあがっており、実際、大屋根リングの下でおにぎりやパンなどを食べている人も多く確認できた。
これから万博を訪れる人にとっては、日傘や帽子、ネッククーラー、ハンディファンなどの熱中症対策グッズに加えて、「休憩時間も含めたスケジュール管理」が必要になりそうだ。
各国の文化と最新テクノロジーが交差する夢の舞台でも、現実的な備えは欠かせない。“ミャクミャク”と命をつなげるためにも、まずは万全の暑さ対策を心がけたい。
取材・文・撮影/ライター神山