目標を下方修正した万博のチケット販売
大阪・関西万博は、4月23日に総来場者数が100万人を突破し、記念セレモニーが開かれた。開催前は冷めた目線が多かっただけに、想定外の盛況ぶりにSNSなどでは称賛の声も聞こえてくる。
大阪府の吉村洋文知事は4月21日の会見で、「空気が変わっている。今までのように批判一辺倒ではなくなっている」とコメントし、来場者数のさらなる伸びに期待感を示している。
しかし、事前の計画に比べると来場者数は各段に少ない。万博は184日間の開催期間中で、2820万人の来場者を予想していた。1日当たり15.3万人だ。10日で153万人。ところが、オープンから10日の実際の来場者数は約92.8万人だった。これは見込みよりも50万人以上少ない。初速が肝心なイベントにおいて、明らかなスロースタートである。
しかも、前売り券の販売目標は1400万枚だったが、実績は969万枚止まり。団体旅行予約分を含めても1200万枚程度に留まった。会期中のトータルでの目標販売枚数は2300万枚だが、吉村知事は「損益分岐点である1800万枚を目標にして進めたい」などと下方修正するありさまである。
カジノの経済波及効果は年間1兆円を超えると予想しているが、その目算の土台となっているのが、年間2000万人という来訪者だ。しかし、この見通しに甘さがあることは、今回の万博がすでに物語っているのではないか。