1日3合以上飲むと自殺率が上がる

一度に2合以上飲むような人は、その95パーセントがほぼ毎日飲んでいます。つまり、週に14合以上飲んでいることになります。こうした習慣的大量飲酒者は、全体の1割くらいを占めています。

JPHCスタディで飲酒量と自殺率の関係を調べたところ、ある程度お酒を飲む人のほうが、まったく飲まない人よりも自殺率が低いことがわかっています。ただし、1日3合以上の割合で飲酒すると自殺率が高くなります。

また、同じ量を飲むにしても、みんなでわいわい飲む人のほうが、1人で飲む人よりも脳卒中になるリスクが低いことがわかっています。また、社会的サポートが多い人では、少ない人に比べて、飲酒が脳卒中の及ぼす影響が少ないこともわかっています。

いくらお酒が好きでも、1人で大量に飲み続けるのはNGなのです。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)

なお、短時間に大量(純アルコール量60グラム以上)の飲酒を行うことを「ビンジドリンキング」と呼びます。60グラムのアルコールというとだいたい3合です。

ビンジドリンキングは、急性アルコール中毒になる危険性があるだけでなく、長期的に見ても健康に害があることがわかっています。

とくに、飲むと顔が赤くなる人は、将来、食道がんになるリスクが上がります。顔が赤くなるということは、アルコールの分解能力がもともと低いので、害も受けやすいと言えます。

飲むと顔が赤くなる人は、将来、食道がんになるリスクが上がるという。写真はイメージです(写真/Shutterstock)
飲むと顔が赤くなる人は、将来、食道がんになるリスクが上がるという。写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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加えて、喫煙習慣があるとさらにリスクが上がります。顔が赤くなりやすい人が、タバコを吸いながら大量飲酒をするのは、非常にマズいことなのです。

文/大平哲也 サムネイル/Shutterstock

『10000人を60年間追跡調査してわかった 健康な人の小さな習慣』(ダイヤモンド社)
大平哲也 (著)
『10000人を60年間追跡調査してわかった 健康な人の小さな習慣』(ダイヤモンド社)
2025/2/19
1,694円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4478120811

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