誰よりも若いうちに脳が刺激を受ける

このように研究だけを見ていくと、こんなふうに思われるかもしれません。

「男の子の早生まれの子は、すでに1年遅れているだけでなく、女の子から1年脳の成長が遅れているとすると、遅生まれの女の子に2年も遅れているということ?」

「早生まれの男の子は、遅生まれの女の子より2年分不利になる?」統計では計り知れない、幼少期の脳の発育と“早生まれ”のメリット_4
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ただこれは裏を返せば、誰よりも脳が若いうちに、刺激を受けることができるということです。

保育園や幼稚園など集団の中に、誰よりも脳が若いうちに入る。誰よりも脳が若いうちに、勉強を始めることになる、ということです。これは実は脳科学的に見れば大きなメリットです。

それは、脳には「可塑性」(固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質)という性質があるからです。

脚注
*1 S Wheelwright, et al. Predicting Autism Spectrum Quotient (AQ) from the Systemizing Quotient-Revised (SQ-R) and Empathy Quotient (EQ). Brain Research, 2006 Mar24;1079(1):47-56.
*2  Nitin Gogtay, et al. Mapping gray matter development: implications for typical development and vulnerability to psychopathology. Brain and Cognition, 2010 Feb;72(1):6-15.

写真/shutterstock
図/書籍『本当はすごい早生まれ』より

本当はすごい早生まれ
瀧靖之
本当はすごい早生まれ
2025/3/25
1,650円(税込)
200ページ
ISBN: 978-4868010685

16万人以上のMRIを見た脳科学者であり、
早生まれの子どもを育てる著者が、「早生まれは不利」という常識を科学的に覆す!


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