男の子の早生まれはなおさら成長がゆっくり?

早生まれと同じか、それ以上に統計として存在するのが、男女の成長差の違いです*2。

この研究も「統計学的に有意差はあるが、非常に多くの重なりがあり、個人に当てはまるものではない」ということを念頭に置いて確認していきましょう。

これは子育ての実感として感じている方が多いと思いますが、女児の方が成長が早いというのは、統計的にいえば脳についてはそのような報告があります。

次のページのグラフは、「大脳皮質」とも呼ばれる、ニューロンが集まった「灰白質」という「脳を覆う皮」の成長を、脳の前頭葉灰白質、頭頂葉灰白質、側頭葉灰白質、後頭葉灰白質の4つの体積で表したグラフです。

上の線が男子の脳発達、下の線が女子の脳発達です。(a)(b)(c)のそれぞれのグラフに矢印があるのがわかります。そこが脳の成長のピークです。

いずれも、女子の脳の方が矢印が手前に来ていることがわかります。つまり、女児の方がおおよそ1歳程度早く、脳の成長のピークを迎えているのです。

昔から「一姫二太郎」といわれるのは、女の子の方が成長が早く、育てやすいからかもしれません。

「早生まれの男の子は、遅生まれの女の子より2年分不利になる?」統計では計り知れない、幼少期の脳の発育と“早生まれ”のメリット_3