「統計的に有意」な研究が、自分に当てはまらないワケ

このように「統計的に有意」な研究であっても、それがそのまま個人にピタリと当てはまるわけではありません。これまで出てきた、そしてこれからも出てくるであろう「早生まれ研究」も、様子は同じです。

「成績が良い人もいれば、中間の人も、悪い人もいる」

「自己肯定感が高い人もいれば、中間の人も、低い人もいる」

「非認知能力が高い人もいれば、中間の人も、低い人もいる」

多くの調査結果が、このようなグラデーションの中から導き出されているということを頭に置いておきましょう。

「早生まれの男の子は、遅生まれの女の子より2年分不利になる?」統計では計り知れない、幼少期の脳の発育と“早生まれ”のメリット_2

研究結果というのはそもそもグラデーションの中にあり、個人にピタリと当てはまるようなものではない、ということは覚えておいて下さい。

このような論文の読み方を身につけておけば、無駄に喜んだり、むやみにがっかりしたりすることはなくなるはずです。

大きな群で見ると統計学的に有意差はある。しかし、そこには非常に多くの重なりがある。それが研究の本質です。全体としてそのような傾向があることと、個人に当てはまることは必ずしも一致しない、むしろそうでないことも少なからずある、としっかりと理解しておきましょう。