7項目の疑惑とプラス1の調査の結果は…

斎藤知事の疑惑は昨年3月12日、当時の西播磨県民局長・Aさん(60)が県警や県議、メディアの計10か所に郵送し外部に知らせた。

告発文書には、斎藤氏がパワハラを繰り返し、出張のたびにカニや牡蠣などの特産品がほしいと「おねだり」を行なっているとの指摘が書かれていた。さらに、2023年11月に行なわれた阪神・オリックス優勝祝賀パレードの協賛金を出す見返りに補助金を上積みすると金融機関に約束をしたとの公金不正支出疑惑や、県職員を動員した事前選挙運動疑惑も書かれていた。

昨年9月6日、兵庫県議会百条委で証人尋問を受ける斎藤元彦知事 撮影/集英社オンライン
昨年9月6日、兵庫県議会百条委で証人尋問を受ける斎藤元彦知事 撮影/集英社オンライン
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百条委は文書にあった7項目の疑惑を調べるため発足したが、後にさらに1つ、調査対象が加わった。

「告発文書を見た斎藤知事は、当時の片山安孝副知事(昨年7月に辞職)らに発信者探しを命じ、特定されたAさんは懲戒処分を受けました。
その調査過程ではAさんの県公用パソコンの中にあったプライベートな文書データが流出し、当時の井ノ本知明総務部長が複数の県議らに見せて回っていたことが分かっています。

それだけではありません。当時維新に所属し百条委副委員長だった岸口実県議と百条委委員だった増山県議は、このデータを百条委で全部開示しろと執拗に求めました。Aさんはこのデータが出回ることに心を痛めていました。百条委が岸口氏らの要求を受け入れない決定を出す前日、自ら命を絶ちました。

この経緯から、Aさんに対する県当局の仕打ちが妥当だったかも百条委の調査項目になったのです」(県職員)

1月27日、亡くなった竹内英明元兵庫県議に黙祷する県議会百条委の委員ら 撮影/集英社オンライン
1月27日、亡くなった竹内英明元兵庫県議に黙祷する県議会百条委の委員ら 撮影/集英社オンライン