行く手を妨げる問題行動と企業風土10選

まさしくマルクス・アウレリウスの言葉どおり「道を妨げるものが道になる」のである。

ここで、リーダーたちが世界各国の組織で「行く手を妨げている」とみなした、10の「問題行動と企業風土」を見ていこう。

1.    率直で生産的なフィードバックなど、相手に言いづらいことを言わない。これを勇気の欠如とみなしたリーダーもいれば、能力不足だと指摘した者もいたが、衝撃だったのは、半数以上のリーダーが、「優しく丁寧」な文化的規範が、気まずい会話を避けるための言い訳に使われていると指摘した点だ。

理由はどうであれ、気まずい会話を避けた結果、明快さの欠如や、信頼と献身の低下を招き、受動的攻撃性行動や陰口、裏でのやり取り(「会合のあとの集まり」)、うわさ話、うわべの同意(表ではイエスと言いながら、裏でノーと言う)など問題行動が増加したというデータが山のようにある。

世界中のリーダーの行く手を妨げている、どうにも困った企業風土10選_2
すべての画像を見る

2.変化や混乱で生じる恐怖などの感情を積極的に認めて対処する時間よりも、問題行動の対処に法外な時間を費やす。

3.つながりや共感の欠如によって信頼が低下する。

4.変わりゆく要求や飽くなき革新へのニーズに応えるために、しかるべきリスクを冒し、大胆なアイディアを思いつき、それを共有できる人材の不足。何かに挑戦して失敗する、あるいは斬新なアイディアを提示することで見下されたり、笑い者になったりする恐怖を感じると、人は現状維持や集団思考に甘んじるのが最善だと考えるようになる。

根底にあるのは「人間」の問題

5.挫折、失望、失敗によって行き詰まった際に、リソースを整理して顧客や株主に分配したり、社内のプロセスを完遂したりするよりも、チームメンバーに自分の仕事ぶりや価値を認めてもらうことに多くの時間とエネルギーを費やす。

6.恥をかかされ、非難されるばかりで、十分な説明がなく学びが得られない。

7.誤った印象を与えたり、間違った発言をしたりすることを恐れ、だれもが多様性や包括性に関する重要な会話を避ける。耳の痛い会話を避けて居心地のよさを選ぶのは典型的な特権であり、それによって信頼が損なわれ、意義深い永続的な変化を遠ざけてしまう。

8.問題が発生した際に、個人もチームも問題の特定や解決に取り組む代わりに、効率の悪い持続不可能な解決策に走る。間違った理由で間違ったものを修正すると、ふたたび同じ問題が表面化する。これはお金の無駄であり、士気も低下する。

9.組織の価値観が浅薄で、教えたり、数値化したり、査定できる実際の行動ではなく、願望の観点から評価される。

10.完全主義や恐怖が人びとの学びや成長を妨げている。

この10項目を見た大半の人は、これが「組織」内の話にとどまらず、「自分」の内面の葛藤を表すものであることにすぐに気づくだろう。これらは「仕事」に対する態度や組織文化の懸念を示すものだが、根底にあるのは「人間」の問題である。


文/ブレネー・ブラウン 訳/片桐恵理子 写真/shutterstock

dare to lead リーダーに必要な勇気を磨く
ブレネー・ブラウン (著), 片桐恵理子 (翻訳)
dare to lead リーダーに必要な勇気を磨く
2025/2/20
2,090円(税込)
432ページ
ISBN: 978-4763140692

ヒューストン大学教授にしてベストセラー作家
ブレネー・ブラウン博士による、待望の新刊!

★ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー1位!
★米アマゾン53週連続ベストセラーランクイン!
★「CEOが必ず読むべき本」選出!(WSJ発表)
★著者のTEDトーク「傷つく心の力」6000万人視聴!


ヒューストン大学教授でベストセラー作家の
ブレネー・ブラウン博士による
待望の新刊が、ついに日本上陸。

20年にわたって「勇気、傷つきやすさ、恥、共感」
についての研究をおこなってきた著者が、
近年、「リーダーシップ」の研究に取り組み、
その調査結果を一冊にまとめたのが本書である。

複雑で急速に変化する今の時代に成功するには、
リーダーは「勇敢」になる必要がある――
と著者は指摘する。

そして、勇気を養うには、
「ヴァルネラビリティ(Vulnerability)
=傷つきやすさ、脆さ、脆弱性、不安な気持ちなど」
を受け入れることが必須だと説く。

「勇敢なリーダー」になるには、どうすればいいか?
組織を成長させるには?
最高のチームをつくるには?
生産的なコミュニケーションとは?
チームメンバーから心から「信頼」されるには?
どんな失敗からも「立ち直る力」をつけるには?

40万にものぼる最新のデータや
さまざまな研究事例から導かれた、
リーダーや組織の問題解決の具体的な方法が明かされる。
すべてのリーダーと、すべての働く人の必読書。


【賞賛の言葉】
●シェリル・サンドバーグ(Facebook COO)
――「ブレネーは本書を通じて、みずからの数十年にわたる研究を、勇気あるリーダーシップのための実践的かつ洞察力に富んだガイドへと昇華させている。本書は、着実に人々を導き、勇敢に生き、大胆にリードしたいと望むすべての人にとってのロードマップである」

●エドウィン・キャットマル(ピクサー・アニメーション・スタジオおよびウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ元社長)
――「ブレネーがピクサー社を訪れ、映像制作者たちと話をしたことがある。彼女のメッセージは重要なものだった。というのも、制作者がヴァルネラビリティと向きあうとき、みずからの挫折を克服しなければならないとき、打ちのめされるのを厭わないときにこそ、最高の映画がつくられるからだ。傍観者として、安全で有意義な文化の価値を語るのは簡単だが、それを実現するのは途方もなく大変だ。つねに目を配り、安全な環境を維持し、勇気とヴァルネラビリティをもたなければ、よい文化は生まれない。これは簡単に身に付くスキルではないが、人に伝えることはできる。本書をぜひそのきっかけにしてほしい」


【目次より】
序章 勇敢なリーダーと勇気ある文化
第1部 ヴァルネラビリティと向き合う
 第1章 その瞬間と誤解
 第2章 勇気を呼び起こす
 第3章 武装
 第4章 恥と共感
 第5章 好奇心と確固たる自信
第2部 自分の価値で生きる
第3部 果敢に信頼する
第4部 立ち上がる方法を学ぶ

amazon