「現時点では『騙された』とは言えない」
――そんなに一斉に退去することってあるんですか? 騙されたということでしょうか?
いえ、現時点では騙されていません。もし今「騙された」と言ったら、僕が訴えられかねませんからね。
ただ、契約前にすでに退去の通知が来ていたにもかかわらず、その事実を僕に説明しなかったとなれば、契約不適合責任を問うことは可能な状況です。今は残金支払いの延期をお願いしつつ、証拠を集めている段階ですね。
――では、現状はどういう状況なのでしょうか?
現在は、担当の不動産会社に内容証明を送り、中間業者にも口頭でその旨を伝えているところです。
現時点では、中間業者の営業担当が何らかの自己判断で退去通知を僕に伝えなかった可能性などもあり、送った内容証明に対してどのような対応がされるのか、待っている状況ですね。
――しみけんさんとしては、どうするつもりなのですか?
いやぁ、契約をどうするかまだ決めかねてますが、手付解除(すでに支払っている手付金を放棄して解約すること)という選択肢もありますよね。
あるいは、このまま購入して、借りてくれる人を探して何とか満室に持っていき、逆転する道もあるかもしれません。とにかく、相手の出方を見ながら検討していこうと思っています。
――今回のトラブルは、どうすれば防げたと思いますか? やはり“ノールック”が良くなかったのでしょうか?
いえ、“ノールック”は別に悪くありませんよ。もし見ないのならより慎重に資料を見るべきです。やはり、住民の退去予定を事前に仲介会社や管理会社に確認し、その内容を文書として残してもらうべきでした。
それに、現在の入居状況を前提に売買金額を決めたという点を、契約書にしっかり明記しておくべきでしたね。
――YouTube「不動産Gメン滝島」の滝島(一統)さんも、「不動産投資をするのはプロ、という建て付けがあるから、消費者保護が弱い」と指摘していましたよね。
本当に、その通りなんですよね。個人であっても、不動産投資をする時点で“プロ”として見なされる。だからこそ、自己判断でしっかり気をつけなければいけないんです。
今回は痛い目に遭いましたけど、いい勉強になったと思っています。