斎藤知事は「これまでご説明してる通り、代理人を通じて対応しています」
ここで県警と地検が家宅捜索に踏み込んだことが重い意味を持ってくる。
「当局はすでに、折田氏から事情聴取をしており、その上で強制捜査で証拠の押収に乗り出したようです。読売新聞は実名を伏せながらも、捜査当局が折田氏に関連資料の任意提出を求めたが十分に応じなかったためガサに踏み切ったと報じています。当局は証拠隠滅の疑いがあるとみて、口座取引や通信記録の確保を急いだとみられます」(県議会関係者)
家宅捜索が報じられて約2時間後、記者団の取材に応じた斎藤知事は、
「報道で私も(家宅捜索を)承知をいたしました。この件につきましては、これまでご説明してる通り、代理人を通じて対応しています。捜査に対してもしっかり協力をしていくというふうに考えておりますし、私としては公職選挙法等に違反するということはないという認識には変わりはありませんが、引き続き捜査に対して要請があれば、しっかり協力していくというふうに考えています」とだけ話した。
「merchu」が入ったビル前には30人以上の報道陣が集まっていた。同ビルのテナントで勤務しているという女性は、「昼前くらいから報道の方が集まりだしたので何かあったのかしらねって話はしていたんです。昼過ぎからはずっとこの騒ぎですよ」と話していた。
兵庫県ではほかにも、斎藤知事の職務や知事選に絡み、
①2023年11月の阪神・オリックス優勝祝賀パレードに絡む県の公金不正支出(背任)疑惑
②立花孝志NHK党党首が選挙で斎藤氏を応援した“2馬力”選挙運動問題
③斎藤知事の対立候補のSNSアカウントが凍結されたり、デマも交えた誹謗中傷が選挙中から激化した問題
など、警察の刑事部捜査2課や地検が捜査を担当する“2課モノ”と呼ばれる選挙、経済事件が山積している。
県警はパレード絡みの背任疑惑についても、市民団体からの告発を受理している。(♯24)
これと並んで立件にハードルが高いとみられてきたmerchuに絡む疑惑で強制捜査が入ったことは重大な事態だ。
「斎藤知事本人が罪に問われなくても、陣営幹部が買収で有罪になれば連座制の適用で知事選の当選が取り消される可能性がある点で、最も深刻な事件です。斎藤知事周辺の疑惑は新たな局面に入ったと言えます」と県政界関係者は指摘している。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班