一棟アパートを購入契約後、6戸のうち4戸が退去
実は、これまでも都内で4軒の不動産を所有していたしみけん氏(うち2軒はすでに売却済み)。
5軒目の購入にあたり、「地方の不動産についても知りたい」という思いから、不動産の売り手と買い手をつなぐ不動産マッチングサービスを利用し、中部地方にある8戸からなる木造アパートを見つけたという。
しかし、契約を締結し、いよいよ決済を迎える前日になって、物件に入居中だった6戸のうち4戸の賃借人が突然退去するという事態に直面することに。いったい、何が起きたのか――。
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――そもそも、なぜ都内ではなく、地方の不動産投資に目を向けたのでしょうか?
しみけん(以下、同) もともと不動産投資には興味があったんです。それに、身近に地方の中古木造アパートを一棟買いして成功している人がいて。その人が不動産マッチングアプリで物件を見つけていたので、「僕もやってみようかな」と思ったのがきっかけですね。
昨年11月にアプリに登録して物件を探し始めたんですが、12月13日に新潟県の某大学近くにある8戸からなる木造アパートを見つけました。築年数もそこそこで、販売価格は約1800万円。利回りは13.5%と悪くなかったので、興味を持ったんです。
――そのアパートのどんなところが魅力的だったのでしょうか?
ほかにも鳥取、大分、北海道、京都など、気になる物件はいくつかあったんです。
でも、利回りはもちろん、レントロール(部屋数や家賃、敷金、管理費、賃借状況などが書かれた資料)を細かく比較・精査した結果、新潟県のその物件が一番魅力的でした。
――比較したうえで、実際に物件を下見して決めた、と。
いえ、“ノールック”です。これまで購入した都内の物件も、実際に見に行かずに決めてきました。
不動産投資の世界では、そこまで珍しいことではないんですよ。もちろん、見に行ったほうが安心ではありますが、見なくても十分運用はできますからね。
――その後、いつ契約を結び、どのように入居者退去の連絡が来たのでしょうか?
12月13日に物件を見つけたあと、すぐに不動産業者に連絡を入れて、「買いたい」と意思を伝えました。
連絡が遅かったり、契約が売主と買主の間に第三者が入る“三為(さんため)契約”に変わったりと、その時点で少し気になる点はあったんですけど、最終的には1月31日に無事契約を結びました。
ところが、1800万円の決済を控えた前日の2月13日、不動産業者から「良くない知らせがある」と前置きされたうえで、「契約時には6戸が入居中だったが、そのうち4戸の退去が急きょ決まった」と告げられたんです。