狙い目沿線はズバリ…
東京23区を中心にマンションやアパートの家賃の高騰が続いている。
大手不動産情報サービス「アットホーム」が実施した調査結果によると、東京23区の賃貸マンションの平均家賃が、シングル向け9万6163円(前年同月比+4739円)、カップル向け15万6813円(+1万2253円)、ファミリー向け23万1726円(+9914円)と、前年同月比を大幅に上回り、いずれも2015年以降で過去最高値を更新した。
テレワークの定着などで、都心一極集中はコロナ禍前より分散されたものの、現在は物価高の影響や資機材の高騰なども影響し、オーナー側も家賃を上げざるを得ない状況に迫られている。
さらに都心で賃上げが顕著だったのは、台東区や江戸川区などの下町エリアだ。これまで比較的家賃が低かったため、地方から上京する学生や新社会人などにとっては狙い目エリアだったが、近年の在留外国人の増加などが家賃高騰に大きく影響しているという。
今春、進学や就職で都内に転居する人たちにとって、予算内に賃料を抑えられるような穴場物件や狙い目の沿線はあるのか。不動産評論家の牧野知弘氏に話を聞いた。
「都心からの距離の割に、比較的賃料水準が安い私鉄沿線では、『西武線』『東武線』『京成線』『京急線』が首都圏大手の鉄道の中ではお得な沿線です。
反対に、『東急東横線』『田園都市線』『小田急線』『京王線』など都心を中心に西南に伸びている沿線は、後背地で高級住宅地も立ち並ぶ、いわゆる“ブランド沿線”です。そのような沿線上は家賃相場が高く形成されている傾向がありますし、オーナーも強気な人が多い。
社会インフレを背景に不動産価格が上がる中、年に1度の引っ越しシーズン到来となると、オーナーにとっても賃料をあげる最大のチャンスです。勤務先や進学先の立地にもよりますが、賃料を抑えたい人は上記のお得沿線上を探すことをおすすめします」(牧野氏、以下同)
さらに「もっと賃料を抑えたい」という人に牧野氏がおすすめするのが、“ずらし駅”だ。
「同じ沿線上でも急行停車駅は家賃が高めなので、そこから1、2駅外れた駅を狙うのも、いい作戦だと思います」