②再発の基準は?
再発の割合について調べる場合、いったん症状が改善した人の経過を追っていき、どこかの時点で再発の医学的基準を満たした人を「再発」とします。
再発かどうかの基準は、うつ病の医学的評価尺度の得点が一定の値を超えたときや、世界的な基準とされる『DSM』(アメリカ精神医学会発行『精神障害の診断と統計マニュアル』Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)のうつ病の診断基準を満たしたときなどです。
この基準をゆるくすると、再発者の割合は増加し、基準を重症のレベルにまで高くするとその割合は減少します。
先述のうつ病の再発率に関する論文では、その一般的な基準が使われているので、この点は問題ありません。医学論文として発表されている研究ではこの点をクリアしているケースが多いのですが、どういった基準を用いているかは重要なので、われわれは普段からチェックしています。
もしネットのニュースなどで個人の体験から「再発が増えています」とか、「悪化する人が増えています」などの表現を目にしたら、その「再発」や「悪化」の基準、あるいは定義は何なのかに注目し、可能であれば確認しましょう。