女性一人旅でも快適に過ごせる船内の構造

いよいよ乗船。

一昔前まで船旅といえば長時間の軟禁状態で過ごしにくく、女性一人旅に快適とはいえない印象があった。しかし今回はそんなイメージを払拭するほど新しく綺麗な船内だった。

船の中央に階段があり、2階から5階まで自由に行来可能
船の中央に階段があり、2階から5階まで自由に行来可能

船内の構造は左舷側が女性、右舷側が男性と男女別々に分かれているので驚いた。船室は女性専用室となっているので、それだけでもホッと一安心だ。

案内表示(定員があるようなので、確実に女性専用室を利用できるとは断言できない点はご了承いただきたい)
案内表示(定員があるようなので、確実に女性専用室を利用できるとは断言できない点はご了承いただきたい)
トイレもシャワーも各フロア左舷と右舷で男女がキッパリと分かれているので、女性一人の利用でも安心感がある
トイレもシャワーも各フロア左舷と右舷で男女がキッパリと分かれているので、女性一人の利用でも安心感がある

乗客は意外にも男女半々といった印象を受ける。20代のカップルや、50代と見られる夫婦の姿もちらほら。女性の友人同士での参加や、一人旅らしき女性の方も多い様子だった。

「女性一人だとナンパされることもある」などの噂もあったが、そんな様子もなく……。

そもそも一人旅らしき若い男性乗客は少なく、若い男性はカップルや友人同士での乗船ばかり。乗船するやいなや甲板でビール片手にくつろぐ中年男性もいて、みんな思い思いに過ごしている。

甲板で夜景を楽しむ乗客たち
甲板で夜景を楽しむ乗客たち

東京の夜景を楽しむことおよそ30分。

街明かりは遠ざかり、真っ暗な海を進むようになると甲板から人が減っていった。

夜が更けていくにつれて夜行旅のワクワク感も増してくるというものだ。

しかし23時30分に消灯時間を告げるアナウンスが入り、すぐに就寝時間が来てしまった……。

セキュリティ面も安心! 肝心な船室は……

今回の旅は行き先も不安だったが、実は一番心配だったのが他人と雑魚寝すること。

さあ、問題の雑魚寝スタイルの2等和室。

部屋の入り口はカーテンで仕切られている。靴を脱いで部屋に上がる
部屋の入り口はカーテンで仕切られている。靴を脱いで部屋に上がる
2等和室は頭の部分が仕切りで区切られている作り。簡易枕のみ付属していて、電源は部屋に二つしかない
2等和室は頭の部分が仕切りで区切られている作り。簡易枕のみ付属していて、電源は部屋に二つしかない

一部屋の定員は10名。部屋は広々としていて想像以上に清潔感がある。

個人ブースの頭上には100円返却式のロッカーが備えられているため、貴重品の管理も安心だ
個人ブースの頭上には100円返却式のロッカーが備えられているため、貴重品の管理も安心だ
船内のコインロッカー。大きな手荷物も収容可能
船内のコインロッカー。大きな手荷物も収容可能

今回は気にならなかったが、2等和室には靴を脱いで上がるため、他人の足の匂いが気になったり、他人のいびきがうるさくて眠れなかったりすることもあるだろう。船内には売店がないため、事前にマスクや耳栓などを準備しておいたほうがよさそうだ。

Wi-Fi接続はというと、やはり船室では安定せず頼りにならない。乗船前に目的地の情報をしっかりと調べて備えておくことを強くお勧めする。

男女別々の船内構造や充実したセキュリティ面により、快適にゆったり過ごせる……と思いきやここで大問題が勃発!

……全く眠れないのだ!

2等和室は布団やベッドが常設されていないため床で就寝するしかない。

夜の海の冷えが伝達されるのか、床がとても冷たく寝転がると全身に冷気を感じる。

筆者が船旅に慣れていないためか、船のエンジン音もかなり気になる。ノイズキャンセルのヘッドホンを着用してみたが逆に音が反響してうるさいぐらいだ。

Wi-Fiの接続も変わらず不安定でスマホは使えず。持参した本を読もうにも消灯時間を過ぎているため部屋の電気はつけられない。眠いのに眠れない。しんどい……。どうしたものか。

そこで思い切って船内の散策に出てみた。

ホットスナックの自販機や、給湯器が設置されている
ホットスナックの自販機や、給湯器が設置されている

船内の電気は付いていて食堂も開放されているので、食堂や船内のベンチで本を読んだり事前にダウンロードしておいたサブスク配信のドラマを鑑賞したりすることが可能!……助かった。

深夜2時近く。流石にそろそろ眠りにつきたい。

そこで1枚100円で借りられる毛布を利用することに。チケットを購入し、インフォメーションセンターで受け取るシステムだ。深夜でも船員が常在していて心強い。

カップラーメンの誘惑に負けた深夜2時
カップラーメンの誘惑に負けた深夜2時

誰もいないスペースでひとり、麺を啜る。

船室に戻りようやく就寝……と思いきや、早朝5時。軽快な音楽とアナウンスが船内に響き渡った。