旅仲間たちと旅話に花を咲かせた夜
日本地図にめがけてダーツを投げ、刺さった県を目指してヒッチハイクを行う。47都道府県すべてにダーツを刺すことができればクリア。
そして日本を4周することを目標に掲げているMISAさん。身長は約150㎝と小柄で笑顔がチャーミングな女性だが、なんとも過酷な旅の途中にいる。
前編では、無一文ヒッチハイクに対する思いや身の危険を感じたエピソードを赤裸々に語ってもらった。後編では、実際にMISAさんのヒッチハイクに取材班が同行、密着リポートをお届けする——。
密着をおこなったのは今年1月下旬。日本列島に10年に1度の大寒波がせまっていた時期だった。
待ち合わせ場所は京都駅から徒歩5分ほどの居酒屋。時刻は午後8時30分を指していた。その店で“旅仲間”たちと食事をする予定だという。
居酒屋に入ると、すぐにMISAさんが見つかった。大きく“無一文ヒッチハイク”と書かれたボードを横に置き、席についていたからだ。彼女は小柄で可愛らしい容姿の女性だった。
とても“無一文日本4周ヒッチハイク旅”に挑戦するような旅人には見えない。
隣にはパンパンに荷物が積み込まれた紺色のリュックが置かれており、重さは約20キロもあるそうだ。小柄な女性が担いで歩くのはさぞ大変だろう。
その席に座るのは、MISAさんの他に自転車で日本1周を達成したAさんと、原付で日本1周中のBさん。3人で旅の苦労や土産話を肴に飲んでいた。もうひとりの仲間も来る予定だというが、まだ姿を見せていない。MISAさんが申し訳なさそうに事情を語る。
「ヒッチハイクに手こずっているみたいで、まだ到着していないんです」
仲間との待ち合わせ場所に行くにもヒッチハイク。予定時刻に間に合わないこともあるのだろう。
22時頃になってようやくもう1人の仲間が合流。21歳の大学生、なつきくんだ。現在は大学を休学中。この期間を利用してヒッチハイク旅をしているという。