人間よりもAIやロボットと付き合うほうがストレスフリー

池田 セックスの面では、AIをパートナーに選ぶ男は現実に増えているようです。すでにアメリカでは「セックスボット」が実用化されているし、中国でも「AI搭載ラブドール」という精密なダッチワイフが人気だとニュースになっていた。前にセックスボットをみた時はまだそれほどではなくて、いくつかの種類の中から客が選ぶというものだった。それでもSM専用セックスボットというのもあって、驚いたけど(笑)。この流れは当然、もう少ししたら日本にもどんどん入ってくるでしょうね。

和田 日本にもそっち方面の技術はありますからね。何かの雑誌でみたのですが、かつてのダッチワイフはいかにも人形のような顔をしていたのが、今では本物の人間みたいにリアルできれい。処分できなくて家族みたいに一緒に暮らしている人もいるそうです。

池田 それにAIを組み込んだら、ほとんど人間だよね。しかも、ディープラーニングで相手の好みをどんどん学習するから、その人にとってはルックス、内面ともに魅力的で完璧なダッチワイフが出来上がるわけだ。

和田 AIの技術がそこまで進んだら、当たり前のように労働力になります。医療や介護の現場でAIが活躍し、家事もロボットとAIがこなしてくれるわけですから、家族みたいな存在になる。そうなると、今みたいなポリティカル・コレクトネスでがんじがらめになった息苦しい社会も変わるのではないでしょうか。AIロボットが相手なら、オスが輝くとかメスが輝くとか、性別を意識した話もなくなって、どんな本音をぶつけても平気という世の中になるかもしれません。

写真はイメージです
写真はイメージです

池田 現代人のストレスのほとんどは人間関係だから、AIやロボットと付き合うほうが、はるかにストレスがなくていいかもしれないですね。じいさん、ばあさんになるまで喧嘩ばかりの夫婦もいるけど、それならさっさと離婚してAIと一緒に暮らしたほうが、はるかに楽しく快適に生活できるパターンだってある。

和田 おつれあいを亡くした高齢者がAIと一緒に暮らしてみたら、「こっちのほうが断然いい」となるかもしれません。

池田 だって、ある意味ではユートピアですよね。

和田 ただ日本では、そういうテクノロジーを受け入れるかどうかで、大きな断絶が生まれそうです。やっぱりAIではなくて生身の人間じゃないとダメだとかいって、倫理や道徳を押し付けようとしたり、AIを夫や妻のようにして生活するなんてまるでディストピアだとか文句をいう人が現れそうです。