石川はイタリア戦で「戻ってきた」が……

日本代表のキャプテンを務めた石川祐希 松尾/アフロスポーツ
日本代表のキャプテンを務めた石川祐希 松尾/アフロスポーツ

――大会前半、石川祐希選手の調子が上がらず、心配する声も多く挙がっていましたが松永さんはどのようにご覧になっていましたか?

松永理生(以下同) コンディションという話が多く出ていましたが、それは海外の選手も同じ。「それを理由にしてはいけない」と思っていましたし、多少悪かったとしても僕はそれほど心配していませんでした。大会中に僕が目にした記事の中には、石川が関田に「託してほしかった」とトスを要求しているとか、石川に気を遣っているという表現もありましたが、それもこれまでと変わらぬ石川の姿ですし、キャプテンシーを発揮しているだけだと思っていました。

――実際にイタリア戦は、第1セットから石川選手の攻撃が爆発する場面も多々ありました。

表現が正しいかはわかりませんが、「戻ってきた」と思わせる活躍ぶりでしたね。でも彼の中では、託されたボールを決められなかった悔しさのほうが上回っているでしょうし、イタリア戦の3セット目のマッチポイントでも関田は続けて石川に上げている。

やっぱり石川に決めさせたかったし、取らせないと、と思ったんでしょうね。それぐらい1、2セット目の石川は調子がよかった。でも3セット目に決めきれず、5セットまでもつれた結果、最後は西田有志選手にトスが上がって決めきれずに惜しくも負けてしまった。

でも、試合を終えてすぐ、僕は戦いを見ていたひとりとして、指導者のひとりとして彼らに「ワクワクさせてくれてありがとう」という謝辞をLINEで送ったんです。みんなすぐに返信をくれたのですが、石川からは「1点が取れなかった。さらに強くなります」と返ってきたので、この悔しさも力にして強くなってくれると信じています」