セーヌ川に流されたモナ・リザの行方は…

まずは、終わったばかりの閉会式。こちらでも開会式同様に物議を醸した演出がある。それは、パリ・ルーブル美術館が所蔵している大理石彫刻『サモトラケのニケ』の巨大モニュメントが会場に登場したシーンだ。

閉会式のサモトラケのニケ 写真/共同通信社
閉会式のサモトラケのニケ 写真/共同通信社
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この演出には二つのツッコまれポイントがあり、一つはこの彫刻は「ギリシャのものでは?」との指摘。開会式で登場した『モナ・リザ』も、ルーブル美術館に展示されているものの、作者はイタリアの美術家レオナルド・ダ・ヴィンチ。

この二つを合わせて〈モナリザもサモトラケのニケもフランスのもんじゃねーだろというツッコミがSNSに溢れてて安心した〉〈サモトラケのニケもモナリザもルーブル収蔵なだけでフランスのもんじゃないし よく考えたらマリーアントワネットもオーストリア人だし〉といった声があがっている。

また、このサモトラケのニケのモニュメントだが、実物に比べると、かなり身体つきがたくましい。オリジナルの絶妙に美しいシルエットとはまるで別物にも見え、〈いくらなんでもパチモンすぎる もうちょいがんばれ〉〈体のラインも流れる布の表現も翼の形も違う〉〈なんだあの寸胴なサモトラケのニケ サモトラケのニケの良さ全部消滅しとるやないかーい〉〈骨格ストレートのサモトラケのニケ〉とのツッコミに溢れた。

ちなみに、開会式でミニオンズに盗まれてセーヌ川に流されたモナ・リザには、閉会式での“伏線回収”が期待されたが、そこはスルーだった……。

開会式から閉会式まで、なにかと面白い話題を提供してくれたパリ五輪。時差がマイナス7時間という関係から、日本時間では深夜に競技が開催されることが多かった。そのため、なかなかの大事件が起こっても日本ではそれほど話題にならなかったケースがいくつかある。

そこで、五輪のうっかりシーンをまとめた書籍『うっかりオリンピック』の著者、こざきゆうさんに、“同書に加筆したいパリ五輪での事件は?”というテーマのもと、パリ五輪の競技中における事件をいくつかピックアップしてもらった。