急展開の下巻で何かが起きる!
――究極の独り暮らしを描いた『ニーティング・ライフ』ですが、上巻の中盤から徐々に主人公・小森建太郎の日常に不穏な影が忍び寄ります。一方で隣人が出来たことで小森の心境に変化が起きますが、その辺りもリアルですよね。
筒井(以下同) 僕が学生時代に住んでいたアパートの壁がすごく薄くて、それが結構ストレスだったんです。ところが、隣人が知っている人だとそこまでしんどくはない。音の発生源となる人を知っているかどうかは、大きな差だと思います。
――2023年3月17日発売の『ニーティング・ライフ』下巻では、不審者の襲来をはじめ、小森の日常を脅かす事態が次々に起こります。
そうですね。体力も腕力もない小森が、どうやってふいの事態に対応し、どうすれば読者に納得してもらえるかはかなり考えました。
――前半のライフハックがここで生きてくるのか!とワクワクしました。一方で、あることがきっかけで、小森が不審者に部屋の全貌を知られてしまう不安と緊張がないまぜになったシーンも印象に残っています。ああいったアイデアはどうやって?
ガジェットが好きなので、気になるものをネットショッピングして、「今回はこれを使おうかな」という感じで使っています。
――終盤はウクライナの紛争を彷彿させる展開もありました。
話的には最後の見開きを描きたかったので、それに向かってシナリオを進めていたら、現実でも紛争が起きて……。ニュースの映像を見て感じた、「街がこんな風になってしまうんだ」「こういう未来もありえるんだ」といった思いが作品とリンクした部分はあります。作中の話は、現実とはかなり異なる世界線の話になっていますが。