麺類の中でも人気が高いパスタ 

サンマルクがパスタ業態を軸に成長するという経営戦略には納得感がある。パスタチェーンには伸びしろが残されているように見えるからだ。

市場調査を行うマイボイスコムは、外食でよく食べる麺類についての消費者調査を2022年に行っている(「麺類に関する調査」)。飲食店で食べる麺類の中で、最も人気が高いのは「ラーメン、中華麺」で56.7%。「パスタ、スパゲッティ」は34.0%だ。

パスタ店の店頭イメージ (写真/shutterstock)
パスタ店の店頭イメージ (写真/shutterstock)

さらに麺類を食べる頻度の調査では、ほとんど毎日が3.9%、週4~5回が9.5%、週2~3回食べる人は全体の33.3%であり、この3つを合わせると半分近くに達する計算になる。日本人の麺類好きはデータ上にも表れているのだ。

また、週1回が26.9%、月2~3回は17.1%だ。このデータを基に1人当たりが1週間に麺類を食べる頻度を割り出すと、およそ1.9回となる。じつに週2回近く麺類を口にしているのだ。

先ほど出した好きな麺類の種類の割合は、複数回答によるものだ。それを総回答数で計算し直すと、「ラーメン、中華麺」は27.9%、「パスタ、スパゲッティ」は16.8%となる。麺類を食べる頻度は週に1.9回だった。100人いれば、週に190杯分の麺市場があるということだ。

この100人が一週間に好きな麺類だけを食べると仮定すると、「ラーメン、中華麺」は54杯、「パスタ、スパゲッティ」は32杯消費されることになる。その差は1.6倍。

実は全国に存在するラーメン店は電話帳に登録されているだけで2万4000を超える。一方、イタリア料理店は8000ほどしかないく、店舗数はラーメン店の方が3倍も多い。上の杯数の計算を「うどん」に当てはめると37杯となる。「パスタ、スパゲッティ」との差はほとんどないが、うどん店は全国に1万8000近くあるのだ。

店舗数と日本人の食の好みをベースに考えると、パスタを扱う店は出店余地が残されていると言えそうだ。