会社の成長をけん引したフードコート型店舗

リンガーハットの2023年3-11月の売上高は前年同期間比8.0%増の296億7200万円、4億8500万円の営業利益(前年同期間は6億900万円の営業損失)を出した。3期連続で営業赤字を出していたが、ようやく暗黒期を抜けた格好だ。

ただし、出遅れ感は出店形態が似ている丸亀製麺と比較をするとよくわかる。トリドールの丸亀製麺事業は、2021年3月期の利益率が前期と比較して10ポイント以上落ちたものの、黒字化を堅持していた。2023年4-12月のセグメント利益率は16.0%に達している。リンガーハット2023年3-11月の営業利益率は1.6%だ。

不調の要因は値上げによる客離れが関係しているが、その前にリンガーハットの成長と出店戦略について整理しておきたい。売上高とロードサイド、フードコート、ビルイン型の3つの形態別出店数の推移を見てみる。

※決算説明資料をもとに筆者作成
決算説明資料をもとに筆者作成

リンガーハットはもともと郊外のロードサイド型店舗が多かったが、2016年2月期にフードコート型が逆転する。2014年2月末にフードコート型の店舗は200店舗に達し、2020年2月末には437まで拡大した。その間、ロードサイド型はわずか9店舗の純増に留まっている。ロードサイド型主流の時代の営業利益率は3~4%だった。フードコートの出店によって7%以上まで高めることに成功している。

リンガーハットの売上高と、本業で稼ぐ力である営業利益の引き上げに大貢献したのはフードコート型なのだ。