業界ぶっちぎりNo.1の丸亀製麵の秘密

丸亀製麺は現在、店舗数・売上ともに業界ぶっちぎりのナンバーワン。丸亀製麺を運営する株式会社トリドールホールディングスの2023年の売上はなんと、2022年の1883億円からわずか1年で、約436億円アップの2320億円になっている。

丸亀製麵 上野中央通り店
丸亀製麵 上野中央通り店
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その理由の一つが系列店の躍進だ。

中でも代表的な店舗が、豚骨ラーメンを手掛ける「ずんどう屋」だ。いったいなぜ、うどんの丸亀製麺で大成功しているトリドールがラーメン屋に手を出したのか。

粟田貴也社長によると、うどんは昼の売上に特化しているが、ラーメンはランチ、ディナー、ミッドナイトと、1日3回ピークタイムがあり、小さな面積でも経営が成り立つという。

さらにトリドールでは、丸亀製麺のほかにもうどん店を出店している。

目の前でうどんを切って天ぷらを揚げる、ライブ感が抜群の「天たま屋」。こちらは安さがウリの丸亀製麺と打って変わって、一杯1000円超えの高価格帯のうどんを提供する。

さらに「いぶきうどん」という、うどん屋もオープン。丸亀製麺同様に低価格帯のうどんだが、トリドールグループ初の立ち食い型の店舗となっている。

丸亀製麺との大きな違いは出汁。丸亀製麺では真昆布と鰹節など数種類をブレンドしているが、いぶきうどんでは、いりこ出汁を使っていて、パンチの効いた仕上がりだ。

いぶきうどんと丸亀製麺は“安くて専門性のある店”という共通点はあるが、いぶきうどんは立ち食いのため、面積の小さな物件でも出店が可能。

駅近、ガード下など30坪以下の、丸亀製麺では出店できないような場所へ出店できるメリットがある。

ほかにもトリドールでは、甘辛く煮た牛スジやこんにゃくをぶっかける“ぼっかけ焼きそば”専門店「長田本庄軒」をオープン。

こちらは客がお酒を多く注文してくれるため、客単価も比較的高い。狭い敷地面積で出店できることなどを活かし、ショッピングモールなどの商業施設のみで展開している。