トップ交代後の客数の劇的な変化
幸楽苑は郊外のロードサイド店が主軸の店舗展開を行っている。都市部や繁華街が中心の日高屋と比べて立地面では有利だった。ロードサイドへの出店に強いすき家は、吉野屋、松屋よりも回復が早かったし、同じ理由でコメダ珈琲店もドトールやサンマルクなどと比較して客数減の影響は限定的だった。
だが、幸楽苑の回復は遅れていた。2022年3月期は5.8%の減収、2023年3月期はわずか1.8%の増収だった。ところが、経営のかじ取りを父親の新井田傳氏が行うようになってからの立て直しは早かった。トップ就任は2023年6月。
2023年1月からの幸楽苑、日高屋の客数の推移を見ると、2023年初頭には日高屋の集客力は回復して前年を10~40%程度上回っている。一方、幸楽苑は前年の客数すら回復しない月が目立つ。
それでも幸楽苑は8月以降、ほぼすべての月で前年を上回った。2024年に入ってからは前年の10%増という好調ぶりだ。