「アップフライトクイズの巻」(ジャンプ・コミックス第161巻収録)
今回は、商品100万円をかけて、派出所メンバーがクイズ番組に出場するお話をお届けする。
両さんはともかく、部長や中川、麗子までもが、視聴率重視の番組の容赦ない仕打ちに巻き込まれていく。
本作は、かつてテレビで高い人気を誇った視聴者参加型クイズ番組を、『こち亀』流にエスカレートさせている。中でも、昭和ならではの、現在ではいささか放送をためらわれるような、過激な方法で解答者に負荷をかける人気番組群を、もじっていると思われる。
本作同様に、解答者が動くゴンドラに乗って登場するのは、1963年から1985年まで20年以上続いた長寿番組『アップダウンクイズ』。
正解率が悪いと解答者の座った椅子が回転したり、煙に包まれたりする『クイズタイムショック』。
解答者が腰掛けた滑り台の角度が、不正解とともに上がっていき、両手で体重を支えながら解答するが、やがて耐えきれずに落下……という、知力・体力の両方を試される『ダイビングクイズ』。
2007年に描かれた本作は、テレビでクイズ番組が量産されていた時期だ。ただし、それらの多くはタレントのトークバラエティだったり、あるいは学力・学歴重視だったりと、昭和のクイズ番組とは趣向が異なっていた。それを踏まえると、本作は消えゆく昭和的な視聴者参加型クイズ番組を懐かしんでいるようにも思える。
それでは次のページから、派出所の面々がクイズ番組の過激な洗礼を受けるお話をお楽しみください!!