初来日時、足を組んだだけで下着をはいてるかはいてないかで話題に…「ドン!っと客席を向くのよ」舞台で全裸になりニューヨーク中の話題をさらった女優とは_1

ドン!っと客席を向くのよ

『白いドレスの女』(1981)でデビューしたときは、そのあまりのスタイルのよさと美しさに驚きました。まさに女ざかりといった感じ。裸になるセクシーなシーンもあるけれど、マリリン・モンローのような「これでもか」という色気とは違う、普通感のある女性なのに、すごく魅力的な“熟れている”いい女だったのよ。

この映画のプロモーションで初来日したときなんか、スリットの入ったスカートで足を組んだだけで「(下着を)はいてる? はいてない?」と話題になって大変でした(笑)。

脚本家として活躍していたローレンス・カスダンの監督デビュー作だったので、自身の手による脚本も素晴らしくてね。大どんでん返しの展開も私好みでした。

何年かのち、彼女がブロードウェイで舞台版の『卒業』に出演したのを見たことがあります。主人公の青年を誘惑するミセス・ロビンソン役を演じたのですが、なんと舞台上で全裸になるの!

しかもドン!っと客席を向くのよ(笑)。当時彼女は40代後半だったので、それなりに肉付きがよく、ものすごい迫力! ニューヨーク中の話題になっていました。「『白いドレスの女』であんなにセクシーだった人がこうなるか……」と、別の意味で感無量でした。

語り/戸田奈津子
アートワーク/長場雄
文/松山梢