ゲームで思い出に浸りたい人が多い?
確実にヒットが約束されている名作リメイクだが、そもそもヒットが約束されているのはユーザーが望んでいるからにほかならない。メーカー事情とユーザー事情は密接な関係がある。
「動画投稿をしている者としては、多感な時期の思い出に浸りたいという需要を強く感じます。よく『任天堂に今後出してもらいたいタイトル』を視聴者に募っていますが、そこで出てくる要望は、過去作のリメイク・リマスター版が多いです。
最近だと『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』『ゼルダの伝説 風のタクト』『カービィのエアライド』あたりでしょうか。もちろん新作を遊びたいという要望も多くありますが、ある程度内容がわかっているリメイクのほうが、安心できると感じているご意見も多くいただいています」
また、古いゲーム機で発売された名作の場合、気軽にプレイすることが難しいうえ、昨今はレトロゲームの高騰化が進んでいて、定価以上で販売されているタイトルも珍しくない。そういった不満を解消してくれるのも、リメイクのメリットだ。
「メーカーの思惑とユーザーの需要が噛み合った結果が、昨今のリメイクラッシュにつながっていると感じています。個人的にはリメイクの売上が新作の開発資金につながればよいと思っています」
新作を望む声、リメイクを望む声、二つの要望に応えなければいけないゲームメーカー。そして今制作されている新作も、十数年後には名作レトロゲームの一つとして、リメイクされていくのだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部