「辞めると聞いたときは、みんなで『はて?』と思いましたよ」
しかし、大阪地検検事正は過去に土肥孝治元検事総長(昨年8月に死去、享年90)を輩出したように、「先のある」ポストだ。
天皇の認証官たる高検検事長はほぼ掌中にあったといっても過言ではなく、実際に森友学園の捜査指揮をしていた部下の山本真千子特捜部長(当時)はその後、函館地検検事正を経て2022年大阪地検検事正に就任、今年2月末日付けで札幌高検検事長の座を射止めている。
「確かにね、健太郎が大阪地検検事正を最後に辞めると聞いたときは、みんなで『はて?』と思いましたよ。大阪地検検事正の経験者は検事長までなるのが普通ですから。
なんでかなと思って当時、チラッと周辺に聞いたら『奥さんの関係のようです』と口ごもってたな。何か事情があるんだろうとそれ以上は聞きませんでしたけどね」(関西の検察関係者)
大阪地検特捜部はは2010年に検事による証拠改ざん事件が起こったり、2019年に業務上横領容疑で逮捕・起訴した大手不動産会社プレサンスコーポレーション事件が2021年に大阪地裁で無罪判決が出たりするなど屋台骨を揺るがすような不祥事が続出。
また、最近では鹿児島県警の元生活安全部長が情報漏洩で逮捕・起訴され「本部長が不祥事の隠蔽を指示した」と告発するなど、現職警官による犯罪が次々に明るみに出ており、捜査当局全体に対する国民の不信感が高まっている。
それだけに今回の事件でも、プライバシー保護を理由に詳細の発表を避けることは、さらなる不信の増幅を招きかねない。検察の今後の対応が注目される。
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取材・文 集英社オンラインニュース班