現役世代と若者は“お金”がポイント
現役世代と若者に関しては、ともに“お金”がポイントになるとちだい氏は指摘する。
「現役世代が注目すべきは『税金の使われ方』だと思います。多くの庶民は、毎月の給料からセコセコと税金が引かれています。その引かれている税金が、しっかりと子育てや教育、福祉といったものに使われているのかどうかが重要です。
庶民から取った税金が、子どもたちや困っている人たちのために使われるならともかく、どこぞの利権のために使われているのだとすれば、庶民からの税金が一部の金持ちに流れていることになり、頑張って働いている我々の生活が苦しくなる一方で、ろくすっぽ働いていない金持ちの生活がよくなるばかりです。こんなにバカバカしい話はありません」
例えば、オリンピックを理由に築地市場を移転したが、その跡地には高級マンションが建設された。投資目的で購入する海外の投資家たちが乗っかり、都の財産でお金儲けをする金持ちが続出しているという。
日本の金持ちのためでもなく、海外の金持ちの投資のために税金が使われていることにも目を向け、税金で誰が得をしているのを見定める力が必要だと、ちだい氏はいう。
「また現在、若者たちは貧困が深刻です。貯金がある若者はほとんどおらず、それどころか、奨学金の返済に追われる若者たちの人生設計が非常に難しくなっています。
少子高齢化が進んでいる原因もここにあります。若者たちに手厚い政策をしないと、東京であっても少子高齢化が進み、人口が減少していくことになります。
今後、さらに東京一極集中が進み、地方から東京に若者が集まるようなことになっても、それでは地方の過疎化が急速に進むだけで、日本全体としては著しく経済が衰退することになります。
若者たちに“稼げる”環境を整えてくれるのかどうか」と、都知事が少子化・経済といったマクロな問題に与える影響も解説している。
さらに、「LGBTを含む性別や国籍(出身)などによって差別されないことが、東京で働く若者たちの処遇改善につながります。自分たちの個性がどれだけ尊重され、人生を豊かなものにできるのか。こうした政策を実現してくれるのが誰なのかを見比べることも大切です」と多様性の尊重についても語った。