子育て世代は「長期的な視点」が重要も…

では、先述した「自分の立場」での決め方について、子育て世代・現役世代・高齢者・若者など、各属性が注目すべきポイントは。

「まず子育て世代について、学校給食費や医療費の無償化、子育て支援の助成金など、目先の支援体制も気になるところですが、長期的な視点で見ることも大切です。子どもたちに何を残してあげられるのか。子どもたちが大人になったとき、豊かで文化的な暮らしができることが大切です。

その上で、今、東京ではあちこちで商店街や森をなくし、商業施設や高層マンションを建設するプロジェクトが進められていますが、本当に商店街や森をなくしてもいいのかということも争点となっています。

子どもたちに何を残し、何を新しくするのか。親世代が懐かしむ原風景を子どもたちにどれだけ残すのかという視点でも、ぜひ考えてみていただきたいと思います」

高齢者に関しては、分断を煽る候補者への警鐘も鳴らしている。

都知事選立候補で注目の蓮舫議員
都知事選立候補で注目の蓮舫議員

「最近『もっと若い人たちや現役世代のために税金を使うべきだ』と主張する候補者が増えています。

しかし、東京都で暮らしているのは若い人たちや現役世代だけではありません。今は年金暮らしの高齢者たちも、長らく税金を納めてきたはずで、十分に義務を果たしてきたのではないでしょうか。

高齢者政策を切り捨てず、高齢の都民も幸せに暮らせるように税金を使う候補者は誰なのか。世代間の分断を煽り、まるで高齢者に長生きしてもらっては迷惑であるかのように言うような候補者に投票してはいけません。

若い人にも政策を届けなければなりませんが、その代わりに高齢者を冷遇する必要はありません。高齢者向けの福祉を充実させようと思っているのかどうかを確かめることも大切でしょう」