「すでに30もの企業がサンエイ物件の経営権に関心を示している」
結局、犯行が解明されたことで、関根容疑者は経営権を独占するどころか被告人席が待ち構えていることになった。社長夫妻も番頭もいなくなったサンエイの多くの店は営業が止まったままで、宝島ロードは急に寂しくなった。
しかし、栄華を誇った経営者の退場は、別の飲食店にはまたとない商機の到来でもある。サンエイ系列店では最近、背広姿の人がシャッターを開けて店内に入っては、しばらくして出てくるという光景が繰り返されている。
「あの人たちは不動産屋さんですよ。詳しい経営のことはわかりませんが、営業できなくなった店を売却する話が進んでいるようで、それに関係して不動産関係の人も中を見にきているようです」と系列店の調理師の一人は話す。自分が勤める店はまだ営業を続けているが、この先の雇用がどうなるかはわからないと嘆いた。
周辺の飲食店経営者は「あの一角は人通りも多く、きちんとした店を作れば相当な売り上げが見込める」と指摘。周辺の事情に詳しい関係者は、「すでに30もの企業がサンエイ物件の経営権に関心を示していると聞きました。大手が出ばってくるとのうわさもあります」と話す。
「宝島ロード」という名称が消えてなくなる日も近そうだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班