「ロープを用意しようと思ったが、わからなかったので電気コードを買った」

事件は4月16日早朝、宝島さん夫妻の遺体が火をつけられて放置されているのを通行人が発見。両遺体とも両手を結束バンドで縛られ、頭部はビニール袋をかぶせたうえ粘着テープでぐるぐる巻きにされていた。遺体は炎が上がるほど燃え上がり、近くにガソリンを入れたとみられる携行缶が落ちていた。

栃木県警が司法解剖したところ、死因は2人とも首を絞められたことによる窒息死で、幸子さんは顔面を激しく殴打され、顔が判別不明なほど骨折しており、DNA鑑定で身元が判明するまで1週間を要した。

宝島夫妻(知人提供)
宝島夫妻(知人提供)
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一方で事件翌日の17日朝に、仲介役の平山容疑者が五反田駅前交番に出頭。この供述から佐々木光容疑者(28)の指示で、平山容疑者が実行役の若山耀人容疑者(20)と姜光紀容疑者(20)を集めて結束バンドや電気コード、携行缶などの凶器を準備したうえで、自身の車を犯行用に提供したいたことが判明。

合同捜査本部は平山容疑者に続いて逃亡していた3人を全国指名手配の末、沖縄県や神奈川県、千葉県でそれぞれ発見して死体損壊容疑で逮捕した。

指示役の佐々木容疑者は、事件全体の首謀者であるサンエイ商事の幹部社員で宝島夫妻の長女の内縁の夫、関根誠端容疑者(32)に雇われたものであり、不動産業者の前田亮容疑者(36)が管理していた品川区内の空き家が殺害現場であることがわかった。

平山容疑者は殺人容疑について「実行役の2人と殺害方法について話し合った。ロープを用意しようと思ったが、わからなかったので電気コードを買った」などと供述しており、捜査本部は裏付けを進めている。

事件の関係図
事件の関係図

まれに見る猟奇的な強行犯を計画、実行させたとみられる関根容疑者については、モデルを彷彿とさせるスラリとした容姿にアンバランスな全身刺青、さらに人当たりのよさや巧みな話術を弄して都内の超高級住宅地・成城のマダムから大金を引っ張る「女喰い」ぶりを報じてきた(♯29参照)。

今回、集英社オンラインはさらに当時の関根容疑者を知る人物からその詳細な手口についての証言を得たので、以下に紹介する。この知人が関根容疑者と知りあったのは、今から7年前のことだったという。