「元俳優」じゃないほうの男は“依頼”を居酒屋で即答

4月16日早朝、東京・上野で飲食店を多角展開していた宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)の焼かれた遺体が見つかった事件。

警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、5月6日までに姜、若山両容疑者や、宝島夫妻の長女の内縁の夫で首謀者とみられる関根誠端容疑者(32)ら計6人をいずれも死体損壊容疑で逮捕。

21日に姜、若山両容疑者を、4月15日深夜から翌日未明にかけ、東京都品川区東五反田の空き家のガレージ内で夫妻をハンマーで殴ったうえ電気コードで首を絞めて窒息死させたとの殺人容疑で再逮捕した。

調べでは、宝島夫妻の経営を助ける「番頭」格だった関根容疑者が1500万円の報酬を用意して指示役の佐々木光容疑者(28)に殺害と遺体遺棄を依頼、仲介役の平山容疑者が遺体運搬用の車や凶器を準備して姜、若山両容疑者に実行させ、報酬として計500万円を支払っていたとみられる。

事件の相関図
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目を引くのはこの“殺人オーダー”をいとも簡単に引き受けた、姜と若山、20歳の2容疑者の行動だ。

「姜の供述では、4月上旬に平山から死体を車で運ぶ依頼を受けたが、数日後に報酬が増額され、殺して死体を運ぶ依頼に変わったと言います。

姜は『怖い人が平山の上にいて、やらなかったら何をされるかわからず怖くて受けた』と言ってはいますが、彼は居酒屋で殺人依頼をされ、その場で受けると即答したといいます。

若山は平山から電話で依頼され『考えさせてくれ』と一度は言いましたが、『今決めろ』と平山に言われ、やりますと答えています」(警視庁担当記者)

平山容疑者が「ここで遺体を燃やしてこい」と指示

姜、若山両容疑者は殺す相手が誰かも知らされないまま、ハンマーや結束バンドなどの凶器一式を乗せた車を平山容疑者から渡され、空き家へ向かったとみられる。

平山容疑者(本人SNSより)
平山容疑者(本人SNSより)

「平山は実行犯の2人に、殺害相手の年代や『女性(幸子さん)は髪が長い』などのざっくりとした身体的特徴を伝えていましたが、指示といえば『ガレージにいる50代くらいの男女をやれ』という程度のもので、2人はその通り実行しています。

遺体の遺棄場所も平山がネットの地図情報サービスで『田舎のほう』を探し、ここで遺体を燃やしてこいと2人に伝えていました」(捜査関係者)