「インスタグラムのアカウントを何回変えても毎回メッセージがくる」 

高校を中退し、ひとり取り残されたハルキは夜の街に生計を立てる術を見出した。

「ハルキは最初、鶴見駅の立ち飲み屋でバイトしていました。『建築関係の職場に修行しにいく』と宇都宮に出て行ったこともあったんですが、『仕事がきついから辞めた』とあっという間に戻ってきて、蒲田でボーイをしたり、横浜のキャバクラでもボーイをしていました。最近は内装業みたいなこともしていたと聞いたことがあります」

女性に対する“執着”は昔から異常なものがあったという。

「ハルキって女を好きになると思いつめる傾向があって、“俺のものだから”って感じになる。中学時代に付き合っていた女性にフラれたときも、LINEのタイムラインに自殺するだの、もう死ぬ、とかメンヘラっぽいことを投稿してました。そういう一途な部分があるんです。

Aちゃん(殺害された女子大生)と付き合うようになると、男友達の誘いを断ったりするようになりました。仲間に『家賃が払えないから』とお金を借りて、そのお金でAちゃんにネックレスを買った挙句、金を返さないようになりました」

サッカー部だった伊藤被告(知人提供)
サッカー部だった伊藤被告(知人提供)

交際期間中、伊藤被告は女子大生に度々暴力を振るっていたようだ。伊藤被告が住んでいたアパートの近隣住民は、部屋で物が壊れる音や「痛い」「やめて」といった女性の悲鳴を聞いていた。女子大生の同級生も当時の取材でこう証言した。

「彼女とは小学校のときに同じクラスでした。すごく明るくて活発な女の子でした。足が速くて確かリレーの選手にも選ばれていたと思います。憧れの存在でした。

彼女と最後に会ったのは1ヶ月前です。友人らと何人かでお店で話をしましたが、そのときに彼女は、彼氏とはもう別れたと言っていました。でも、インスタグラムのアカウントを何回変えても毎回メッセージがくるから怖いと訴えていました…。

つい最近も、『オマエ、俺と別れたら知らねえからな』と脅されていたようです。警察には4回くらい相談していたけど、まったく動いてくれないと言っていました…」  

復縁を迫ってきた被告のインスタのアカウント(知人提供)
復縁を迫ってきた被告のインスタのアカウント(知人提供)

初公判では「大切で愛する娘を殺した犯人を許せない」と愛娘を失った母親の供述調書も読みあげられた。途中、伊藤被告は涙を流し身体を震わせる仕草もみせていたという。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班