「言わないだけで同じ被害にあった子は多いはず」

今回の件に関して、現役の親世代はなにを思うのか? 取材班は7日、武蔵小杉駅周辺で、子どもを持つ女性たちを中心に話を聞いたところ、「許せない」という意見が大多数を占めた。

「子どもを持つ親として、すごく腹立たしいです。もし、自分の子どもの学校で同じようなことがあったらと考えるだけでゾッとします。医者が子どもをターゲットにする変態だった、なんて思うと最悪ですね。その医者に早く適切な処罰が下ってほしいです」(30代・女性)

「以前にママ友から『娘が保育園の健康診断で触られた』と相談され、いたたまれない気持ちになったことがあります。そのママ友はすぐに保育園に電話して、そのことを報告していました。

それで次の健康診断から女性の看護師さんか先生が帯同することになったみたいです。もし、自分の子どもが同じことをされたらと思うと本当に許せない気持ちになりますね」(20代・女性)

インタビューに応じてくれた武蔵小杉のママ
インタビューに応じてくれた武蔵小杉のママ
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また、自身も「学生時代に同じような経験をした」と話す女性も複数いた。

「私が小学校高学年のとき、健康診断でかわいい女子の診察のときだけやたらと、聴診器で胸元を擦ったり、ブラをめくろうとしてきたりする医者がいました。毎年、健康診断はその先生が来ると決まっていたので、当日になると女子はみんな『今日もされるのかなぁ』『また見られたら嫌だなぁ』と言っていました。

でも、誰も周りの先生や親には相談できなかったですね。思春期だから自分がそういうことをされたって言うのもすごく恥ずかしいし、仲のいい友達以外には言いにくいじゃないですか。言わないだけで同じ被害にあった子って多いと思います」(20代・女性)

現役の中学校教諭(30代・女性)も「今回の件はありえない」と声を荒げる。

「学校の健康診断で下半身の確認をしたり、ブラジャーを持ち上げたなんて聞いたことがないです。思春期でデリケートな時期の女児に対してそんなことしてしまうと、トラウマになりかねないですよね。

学校の健康診断はあらかじめ決められた項目を検査するものなので、今回の医師の行為が必要だったとは思えないです。必要のないことはしないでほしいですね。

変な疑いにつながるし、時間がかかるとその後の時間割にも影響が出るので。学校や教育委員会はこの件をうやむやにせず、早急に対処すべきだと思います」

前出の、みなかみ町教育委員会の担当者は、「今後は学校健診の内容について児童と保護者に事前に相談するようにして再発防止に取り組む」と話しており、健診を担当した男性医師については「来年度も続けていくことに保護者の理解を得ることは難しいため、新しい校医に変更させていただく」としている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班