悪質店に騙され、数年分の税金が未納だったデリヘル嬢

正式名称デリバリーヘルス、略してデリヘル。性的なサービスを提供する性風俗の一種だが、知らない方のために業務の流れを整理しておこう。

まず、客が店に連絡し、ホテルや自宅などの指定場所にデリヘル嬢が訪れ、性的サービスの提供前後に料金が支払われる。また、遠距離の指定場所へデリヘル嬢が往復する場合には、店が用意した送迎車が使われる。だいたいこのような流れである。

デリヘル嬢は店と業務委託契約を結ぶ個人事業主であり、所属している店から報酬を受け取る。店が客から受け取った料金のうち、おおよそ50%程度が取り分になる契約が多いという。個人事業主である以上、確定申告が必要だが、納税意識が希薄な働き手が多いのも現実だ。また、店の入れ替わりも激しい業界だけに、所属するデリヘル嬢の納税事情まで店舗が把握していないことも往々にしてある。

※写真はイメージです(Shutterstockより)
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さらに、「税金のことはこっちでやるからいいよ」と嘘をつかれるケースもあるという。聞いた話では、デリヘル嬢の報酬明細には税金額の記載があり、報酬から天引きされていたものの、実際にはお店がだまし取っていたという事例もあった。

そういった悪質店の場合は、税務調査が入る前に店ごと潰して消えてしまうことがほとんどだ。最初から短期で稼ぎ抜ける計画を立てており、騙されていたとしても泣き寝入りするしかなくなる。

税務署の調査官に「数年分の税金が未納です」と言われ、「店に騙されました」と伝えても、「それでも納税していないのはあなたの責任です」と突き放されておしまいなのだ。